また、ローバー氏は「映像制作にAIを使わない」と断言する。今は誰でもAIを使って刺激的な動画が作れる。だからこそ宇宙から卵を落としたり、15トンのゼリーのプールで泳ぐことに「真っ正面から本気で挑戦すること」の価値が生まれる。ローバー氏は「Authenticity(本物へのこだわり)」が大事なのだと強調する。彼がこれまでに制作した動画の30%以上をスマホのカメラで撮影してきた理由も、日常的な雰囲気を動画の中に映し出したいと考えるからだ。
Crunch Labsのプロダクト開発も軌道に乗った
YouTubeクリエイターとしてのローバー氏の活動は近年、彼がCrunchLabsのコンテンツの中で使う実験ツールに着想を得た商品の開発へと発展した。CrunchLabsブランドの商品はサブスクリプション形式で販売され、一部は小売展開も始まった。当初は数年で10万件以上の登録数を目指していたが、わずか6カ月で目標を達成し、すでに黒字になっているという。
CrunchLabsには現在、3つの主要なプロダクトラインがある。最初に始めたエンジニアリングキット「ビルドボックス」のサブスクリプションサービスは4年間に48種類のプロダクトをつくり提供してきた。次に始めた「ハックパック」は、マイコンを使ったロボットをハックしながら改造を楽しむプログラミング学習キット。8歳から大人まで広く好評を博している。今年6月には新しく幼児向けの「クリエイティビティキット」も加わる。
元は自動車の整備工場だった建物が、現在のCrunchLabsのスタジオ兼オフィスだ。すべてのプロダクトはこの場所で専任のデザイナーが企画開発を行っている。広大な施設の中には、YouTubeのコンテンツにも登場するさまざまな手づくりの実験ツールを制作するラボもある。


