映像制作にAIを使わない「本物へのこだわり」
ローバー氏は自身のMarkRoberチャンネルとCrunchLabsのチャンネルに毎月1本ずつ、20〜30分前後の作り込んだ長尺のコンテンツを公開。さらに週1本ずつのペースでショート動画も配信している。
筆者がCrunchLabsのスタジオを訪れた日には、6月下旬にMark Roberチャンネルに公開された『I Built a Roller Coaster In My Lab』というコンテンツを収録していた。米国の人気テレビアニメ『フィニアスとファーブ』に登場する発明品を忠実に再現した。ローバー氏ならではのエンターテインメントとひらめきに富んだコンテンツだ。
スタジオには氷を砕いてつくった50トンもの雪が敷き詰められ、役者の子どもたちが乗れるローラーコースターもつくり込んだ。スタッフは、約2時間の収録のためにおよそ40万ドル(約5800万円)の制作費を投じたという。ローバー氏は今回のテーマを選んだ理由について、次のような思いも口にした。
「これは僕のチャンネルのファンである少年、イーサンのために企画した誕生日のサプライズパーティでもあるのです。イーサンは、ある珍しい神経系の病気に罹患したため、これまでの人生を少し複雑で困難な環境の下で過ごしてきました。その彼が好きなアニメ『フィニアスとファーブ』の世界を現実の舞台で体験してもらい、夢をかなえてあげたいと思い立ったのです」
ローバー氏はいつも「家族全員でリビングルームに集まって楽しめるコンテンツ」をつくることを心がけている。確かに彼のコンテンツには独特の温かさとユーモアがある。YouTubeのように家族で楽しめるプラットフォームだからこそ、日常的生活の中で出会える身近なサイエンスによる感動が伝えられるのだと、ローバー氏は語る。


