Z世代の若手社員が求める上司が、非合理な精神論や根性論を振りかざす昭和の生き残りではないことはわかるが、具体的にどう接すれば彼らは付いてきてくれるのか。彼らが実際に「この上司は最高だ」と感じた上司の言動にその答えがある。
大学生向け時間割りアプリ「Penmark」などを展開し学生生活のDXを推進するスタートアップ、ペンマークは、PenmarkユーザーのZ世代社会人176人を対象に、「最高だった」、「助かった」と感じた上司の言動について調査を行った。
もっとも多かった回答は、困ったときに具体的なサポートをしてくれたことだ。続いて、よいところを具体的に褒めてくれた、失敗後に建設的な指導をしてくれた、意見を真剣に聞き尊重してくれたなど。

つまり、上から目線の「指導者」よりも、同じ立ち位置で伴走してくれる「支援者」が求められている。言い換えれば「サーバントリーダー」だ。サーバントリーダーとは、昔ながらの支配型リーダーとは反対の奉仕型リーダーだ。サーバント(召使い)とは卑屈に感じられるかもしれないが、ただ部下に奉仕するだけでなく、部下の成長を支えると同時に自分も成長するリーダーのこととされている。
Z世代の評価がもっとも高かった「具体的なサポート」とは、部下とともに考え手を動かして問題を解決する上司の行動だ。これが強い信頼感を生む。「失敗後の建設的な指導」は、ミスを責めるのではなく「次への学びとして捉えさせてくれる」言動だ。これにより部下の成長意欲が搔き立てられる。
「挑戦させる」というスパルタ式の指導を求める若手社員はごく少数だ。まずは困っている部下を助ける。それから挑戦させる。この順番が重要であり、それが「Z世代のポテンシャルを解放する鍵になる」とペンマークは指摘する。
この調査結果は、「企業における管理職の役割が大きな転換点を迎えていることを示唆」しているという。これからの上司の役割は、部下の管理統制ではなく、彼らの能力を最大限に引き出す環境を整え成長を支援するサーバントリーダーシップだとペンマークはまとめている。



