ネット通販では口コミを参考にする人が多い。実際に買った人の声は貴重だ。ただ、それが本当にユーザーの生の声なのかを確かめる術がない。業者にお金をもらって口コミを書く人がいたり、販売店の人がユーザーを装って書いていたりと、いわゆる「ヤラセ」口コミが氾濫する今、それをどう見抜き、どう対処すべきなのか。

気になる口コミ探索サービス「みん評」を運営するマイスタースタジオは、10代以上の全国の男女518人を対象に、ヤラセ口コミに関する意識調査を実施した。すると、じつに95パーセント以上の人が、口コミを読んでヤラセだと感じたことがあると答えている。ヤラセだと感じた理由から、さまざまなヤラセのパターンが浮かび上がる。ここに理由の1位から7位の内容を紹介しよう。

高評価が多すぎる
「100パーセント高評価だとあまり信ぴょう性がない」との意見があった。高評価口コミばかりを選んで載せている、または低評価口コミを削除していることも疑われる。いずれにせよ、店舗の不誠実さを感じてしまう。
言葉が不自然
「日本では見慣れない漢字が混ざっていたり、語尾が明らかに不自然だったりする」など。外国人が頑張って日本語で書いてくれたのなら大歓迎だが、母国語で投稿しても、こちらで翻訳できるのだからなんら問題ないはず。もし、日本人ユーザーを装っているならアウトだ。
具体的な記述がない
「ほかの店や商品でも通用しそうなことしか書いていない」、「機能や質感などの詳細な情報をあげず、抽象的な表現に終始している」なども不信感を誘う。
同じような内容が多い
「ほぼ同一内容の文章が、性別や居住地などユーザーの属性だけ変えて、何度も繰り返されている」や「複数の人が同じような写真を投稿している」など、口コミの「量産」が疑われるもの。同じ写真が複数の口コミに使われていたら、明らかにヤラセだ。
褒め方が大げさ
過剰な賛辞は身内や社内スタッフが投稿していると感じられてしまう。
評価が二極化している
星5つと星1つしかないなど、中間の意見が見られない場合は、高評価レビューを自分で投稿しているか、ライバル企業が低評価口コミを投稿していることが考えられる。いずれにせよ信用度は低い。
同時期の口コミが多い
「投稿された日時が短期間に集中している」など。人気商品ならば長期間にわたって投稿されるはず。誰かがまとめて投稿していると疑われても仕方ない。

これらの意見は、ヤラセを判断するための指標にもなる。ヤラセと疑われる口コミを見た人は、およそ50パーセントが「購入しない」と答えている。ヤラセ口コミをなくすのは難しい。規制を加えても、不届き者はあの手この手でかわしてくる。その点では、「まだ使ってませんが、楽しみです!」なんて何の足しにもならない口コミが載っている商品は、逆に信用できるかも。
プラットフォーム側の対策を求める声が多いが、「ヤラセは基本的になくならないと思うから、ユーザー側の受け取り方も大事」という意見も聞かれた。インターネットは無法地帯と心得て、自衛することが大切だ。また販売者には、ヤラセ口コミなんていう小細工は業者としての信用を失うだけの、まったくの逆効果だと気づいてほしい。



