アジア

2025.06.24 14:00

韓国SKが7700億円で「AIデータセンター」建設へ、アマゾンAWSと共同で

SKグループの会長 崔泰源(チェ・テウォン)Photo by Anna Moneymaker/Getty Images

SKグループの会長 崔泰源(チェ・テウォン)Photo by Anna Moneymaker/Getty Images

韓国のSKグループは、アマゾンのクラウドサービス部門AWSと提携し、国内にAIデータセンターを建設するため、7兆ウォン(約7700億円。1ウォン=0.11円換算)を投資する。

韓国科学技術情報通信部の6月20日の声明によると、このAIデータセンターは韓国南部の産業都市・蔚山(ウルサン)に建設されるもので、9月に着工し、2029年初頭のフル稼働時には100メガワットを超える容量を備えるという。AWSは、このプロジェクトに40億ドル(約5800億円)を拠出すると韓国当局は述べている。

SKグループは22日の別の声明で、蔚山のデータセンターは、半導体から通信までの幅広い事業を展開する同グループとAWSとの15年間に及ぶ共同プロジェクトであり、韓国のAI開発を高速ネットワークや先端半導体、効率的なエネルギーシステムで支援する取り組みになると説明した。

SKグループ会長でビリオネアの崔泰源(チェ・テウォン)は、22日のLinkedIn(リンクトイン)の投稿において、蔚山のデータセンターはAIの開発を加速させるものと述べ、同グループが「AIインフラのニーズを満たす上で独自のポジションを築いている」と語った。

「蔚山のAIデータセンターにおいては、SKハイニックスの高帯域幅メモリーやSKテレコムとSKブロードバンドの豊富な運用ノウハウ、さらにSKガスとSKマルチユーティリティによる安定的な電力・インフラ支援といった組み合わせによって、AIの爆発的な成長軌道に対応するスケールと性能を実現していく」とチェは述べている。

SKグループは、AIとその関連インフラに積極的に投資する韓国企業のひとつとなっている。同グループは昨年、AIチップに不可欠な高帯域幅メモリー(HBM)の製造、データセンター、パーソナライズされたAIアシスタントサービスに対して、2026年までに82兆ウォン(約9兆円)を投資する計画を明らかにしていた。

SKグループはまた、米国のAI検索エンジンPerplexity(パープレキシティ)、動画検索のTwelve Labs(トウェルブラボ)に加えて、韓国の大規模言語モデル開発企業Upstage(アップステージ)などのAIスタートアップにも投資している。一方、同グループ傘下のAIチップ新興企業Sapeon(サピオン)は昨年、合併後の新会社の評価額を1.3兆ウォン(約1430億円)とする取引で、競合のRebellions(リベリオンズ)と合併した。

AI分野の競争に注力するほかの韓国企業としては、カカオトークで知られるカカオが挙げられる。同社は今月初め、国内のAIデータセンターの建設に向けて約6000億ウォン(約660億円)を投資すると発表した。カカオはすでにChatGPTの開発元であるOpenAIと提携を発表しており、OpenAIのテクノロジーを新たなパーソナライズされたAIツールに活用し、韓国ユーザー向けの新たな製品も共同開発する予定としている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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