UNDER 30

2025.06.25 12:00

ヒューマノイドや宇宙ロケットを手がける、アジアの「世界を変える30歳未満」2025年版

「Ti5 Robot」を設立したイー・ガン(Tim Gao for Forbes Asia)

「Ti5 Robot」を設立したイー・ガン(Tim Gao for Forbes Asia)

アジアの若き起業家たちは、ヒューマノイド(人型ロボット)から再利用可能な宇宙ロケットに至るまで、この地域のさまざまな分野の製造現場に革命を起こし、最先端の製品を送り出している。

中国の起業家のイー・ガン(27)は、北京の中国鉱業大学で化学を学んでいたときに、手に障害がある友人の一人が義手を買えずに困っていることを知った。彼は、その友人を助けたい一心で独学で義手の作り方を学び、教師からの支援金とアルバイトで貯めた資金を使って、大学3年生のときに試作品を完成させた。

これに感銘を受けた大学は、彼に研究室へのアクセスを与え、ロボット工学の指導員をつけて製造技術を学ばせた。2020年に同大学を卒業したイーは、上海に本拠を置く「鈦虎機器人(Ti5 Robot)」を設立した。同社はこれまでに5種類のロボットを開発しているが、その中には自社の人工知能(AI)ソフトウェアで動作し、音声による指示に応答できる2種類の二足歩行型のヒューマノイドが含まれている。

イーは、今年のフォーブスの「30 UNDER 30アジア」の「産業・製造・エネルギー部門」に選出された起業家のひとりだ。

Ti5 Robotが開発した身長1.7メートルのヒューマノイドは、間もなく中国と米国で顧客への納品が開始予定だ。「ヒューマノイドの商業化は非常に速いペースで進んでいる。そして、私たちはその最前線にいる」とイーは述べている。

Ti5 Robotのヒューマノイドの価格は、1台あたりが20万元(約400万円)から80万元(約1600万円)と幅があるが、これらの価格はロボットが引き受けるタスクの複雑度に応じて異なるという。同社は、中国のベンチャーキャピタルのPlum VenturesやMatrix Partners Chinaを含む投資家から、累計約2億元(約40億円)を調達している。Ti5 Robotは、ヒューマノイド以外にもバイオニックハンド(人工義手)や産業用ロボット部品などを、自動車メーカーを含む製造分野の顧客に販売している。

中国では、政府がロボティクスやAIなどの先端領域に数千億元規模の資金を投じる計画を打ち出したことで、ヒューマノイドの需要が高まっている。

Xi Yue, cofounder of Robotera (Supplied photo)
Xi Yue, cofounder of Robotera (Supplied photo)

このトレンドに乗るもう一人の起業家が、北京に本拠を置くヒューマノイドのメーカー「星動紀元(Robotera)」を清華大学のチェン・ジエンユー准教授とともに共同創業したシー・ユエ(28)だ。同社の身長1.7メートルの人型ロボットのStar1は人間と同様に歩いたり走ったりすることが可能で、万里の長城を登ったり、マラソン大会に参加したこともある。

Roboteraは、これまでにIMO VenturesやVision Plus Capitalを含む投資家から累計約4億元(約81億円)を調達し、3月には家電大手のハイアールと家事支援ロボットの共同開発に関する契約を締結した。

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編集=上田裕資

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