宇宙

2025.06.24 17:00

細い月と星々の共演を楽しみ、天の川の美しさに息をのむ今週の夜空

米アルバータ州南部で2019年6月30日に撮影された、いて座の方角にある天の川銀河の中心(Alan Dyer/VWPics/Universal Images Group via Getty Images)

米アルバータ州南部で2019年6月30日に撮影された、いて座の方角にある天の川銀河の中心(Alan Dyer/VWPics/Universal Images Group via Getty Images)

夏至を過ぎると、北半球では夜の長さが少しずつ延びていく。今週はまだそれほどの変化は感じないかもしれないが、月齢も手伝って、星を眺める時間は十分に確保できそうだ。真夜中過ぎには、天の川が美しく輝く静かなひとときが訪れる。2025年6月最後の1週間の夜空についてまとめた。

6月27日(金):三日月と水星、ふたご座が共演

日没から約45分後、西北西の地平線近くに目を凝らすと、糸のように細い月齢2の三日月のすぐ下に、水星がきらめいているのが見える。高度は低いが、水星としては見やすい条件だ。

2025年6月27日(東京:午後7時45分ごろ)の西北西の低空(Stellarium)
2025年6月27日(東京:午後7時45分ごろ)の西北西の低空(Stellarium)

月は、影の部分が地球の海や雲に反射した太陽光に照らされてうっすら光る「地球照」を伴っているだろう。そこから右へと視線を向ければ、ふたご座の兄弟星カストルとポルックスも並んでいる。

6月29日(日):細い月とレグルスが大接近

日没後の西の空で、ややふくらみを増した細い月が、しし座の1等星レグルスと大接近する。左上には赤い火星も見える。

2025年6月29日(東京:午後8時ごろ)の西の空(Stellarium)
2025年6月29日(東京:午後8時ごろ)の西の空(Stellarium)

6月30日(月):月と火星が接近

日没後の西の空で、月と火星が接近する。北米では1度未満の大接近に、北太平洋などでは火星食となる。

2025年6月30日(東京:午後8時半ごろ)の西の空(Stellarium)
2025年6月30日(東京:午後8時半ごろ)の西の空(Stellarium)

今週の天体:6月の天の川

天の川は実のところ1年中観測できる天体だが、北半球の空で感動的な美しさを見せ始めるのは6月下旬からだ。ちょうどこの時期は、夜遅くに天の川の濃い部分(天の川銀河の中心)が南の空から頭上へと昇っていくように見える。

米オレゴン州にあるクレーターレイク国立公園で2022年の夏至の夜に撮影された天の川(Shutterstock.com)
米オレゴン州にあるクレーターレイク国立公園で2022年の夏至の夜に撮影された天の川(Shutterstock.com)

その何十億もの星々の輝きは、晴れた暗い空と暗闇に目を慣らす忍耐力があれば、誰にでも見ることができる。光害の影響の少ない、星空環境の指標ボートル・スカイ・スケールでクラス1~3の暗さが確保できる場所が理想的だ。夜空に目が慣れるまでには少なくとも20~30分はかかるので、気長に待とう。その間、スマートフォンは見ないようにして、手元を照らす必要があるときは赤色懐中電灯を使うこと。

夜空に弧を描く天の川を見つめていると、私たちが暮らす銀河系の鮮やかな輝きに驚かされ、ゆったりとくつろいだ気分になってくるはずだ。

forbes.com原文

翻訳・編集=荻原藤緒

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事