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2025.06.24 16:00

アマゾンのAlexa+が生成AIアシスタントの「本命」か 次世代が北米で好発進

米Amazonのデバイス・サービス部門シニア・バイスプレジデント、パノス・パネイ氏にインタビュー

米Amazonのデバイス・サービス部門シニア・バイスプレジデント、パノス・パネイ氏にインタビュー

アマゾンは今春、新世代のパーソナルAIアシスタント「Alexa+(アレクサプラス)」のサービスを世界に先駆けて米国から導入を始めた。現在は使える言語が英語に限られるが、まるで人間と会話しているような流ちょうなAIチャットを楽しんだり、ユーザーのリクエストに基づいてアレクサがECサイトで買い物を代行してくれたりもする。

2023年10月にアマゾンのデバイス・サービス部門のシニア・バイスプレジデントに着任してから敏腕を振るうパノス・パネイ氏に、Alexa+の現状と今後の展望、日本市場への投入に向けた意気込みを聞いた。

北米で好調なスタートを切った「Alexa+(アレクサプラス)」

Alexa+はより会話的で、ユーザーのためにパーソナライズドされた賢い新世代のAIアシスタントとして、2025年2月末に発表された。自然会話によるAIチャットが楽しめるだけでなく、スキルを介してさまざまな外部のサービスやスマートホームデバイスとアレクサはつながる。

ユーザーのリクエストに応じて「アクション」も返せる。例えばユーザーがECサイトで目を付けた商品を「バーゲンセールが始まってから、一定の価格以下に値下がりした瞬間に注文する購入する」といったタスクに、サービスと連係しながら対応する。Alexa+の詳細については、筆者が今年の2月にアマゾンがニューヨークで開催した発表会の取材レポートを合わせて参照してほしい。

Alexa+は2025年3月中旬から、米国で早期アクセスの提供を開始した。当初は画面付きのEcho Showデバイスを所有するユーザーを優先的に招待した。パネイ氏によると、すでに150万人以上の招待ユーザーがAlexa+にアクセスしているという。音声チャットなど、先に準備が整った機能の利用率も「非常に高い」という。

今後数週間内には、Echo Showシリーズ以外の音声のみに対応するEchoシリーズのスマートスピーカーなどを利用するユーザーをさらに多く招き入れる。そして早期アクセスのプログラムを完了した後、つまりは十分なパブリックベータテストを経た後は、年内に一般向けのサービスへの移行を計画している。

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パネイ氏によるとAlexa+には当初、若い世代のユーザーが中心に関心を示すだろうとアマゾンの関係者も思っていたという。ところが、実際には「5歳の子どもたちから、90代を迎えたシニアの方々まで、とても幅広い年代のユーザーがAlexa+のアーリーアクセスを楽しんでいる」そうだ。

アマゾンが2月末にニューヨークで開催したAlexa+の発表会では、パネイ氏がEcho Showシリーズの端末と流ちょうに会話を交わすデモンストレーションが披露された
アマゾンが2月末にニューヨークで開催したAlexa+の発表会では、パネイ氏がEcho Showシリーズの端末と流ちょうに会話を交わすデモンストレーションが披露された

ユーザーからは「Alexa+を使い始めると、特に家の中では何かの情報を得ようとした時にAlexa+に聞くようになる。スマホやタブレットを手に取る回数が減っている」という声が聞こえてきたという。その理由は、スマートフォンなどモバイルデバイスの画面操作を介することなく、直接Alexa+に話しかければ求める情報にたどり着けるからだ。「これこそアマゾンが長年提唱してきた、暮らしの中にAIやテクノロジーを溶け込ませて、自然にユーザーを支えるアンビエントコンピューティングの理想型」なのだとパネイ氏は語る。

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編集=安井克至

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