サイエンス

2025.06.27 17:00

上空1万メートルで飛行機と衝突、ヒマラヤ越え━━「驚異的に高く飛ぶ鳥」たちの秘密

マダラハゲワシ(Shutterstock.com)

3. キバシガラス(高度2万5000フィート[約7600m])

キバシガラス(Shutterstock.com)
キバシガラス(Shutterstock.com)

カラス科に属するキバシガラスは、ヨーロッパ、北アフリカ、アジアの山岳地帯に生息している。インドガンのような渡りはしないが、この種は定期的に高所で餌を探し、営巣する。高度約7600mを超える上空を飛行する姿が観察されている。

advertisement

強靭で、揚力を持ちやすい形状をした翼と、アクロバティックな飛行スタイルにより、険しい地形のあいだを楽々と飛びまわり、アルプス山脈の断崖を吹き抜ける上昇気流や風の流れを最大限に活用している。

4. オオハクチョウ(高度2万5000フィート[約7600m])

オオハクチョウ(Shutterstock.com)
オオハクチョウ(Shutterstock.com)

トランペットのような特徴ある鳴き声で知られるオオハクチョウは、長距離をたくましく移動する鳥だ。ヨーロッパとアジアの大陸間を移動する際に、約7600mの高度を飛ぶ姿がパイロットに目撃されている。

大型の鳥だが、力強い翼と流線型の体のおかげで、長距離の高高度飛行を維持できる。群れの空気力学的効率を高め、エネルギー消費を抑えるため、V字型の編隊を組んで飛ぶことが多い。

advertisement

5.ソウゲンワシ(高度2万4000フィート[約7300m])

ソウゲンワシ(Shutterstock.com)
ソウゲンワシ(Shutterstock.com)

ソウゲンワシは、中央アジアの開けた平原やステップ地帯で繁殖する猛禽だ。上昇気流に乗って高高度に達する優れた帆翔能力を持つ。幅広の翼と優れた視力により、遠距離から獲物を発見して効率よく獲物を狩ったり、死肉にありつくことができる。長距離に及ぶ渡りのルートは山岳地帯を横断しており、このような高高度での飛行が欠かせない。

6. ヒゲワシ(高度2万4000フィート[約7300m])

ヒゲワシ(Shutterstock.com)
ヒゲワシ(Shutterstock.com)

ヒゲワシは、ヨーロッパからヒマラヤにかけての山岳地帯に生息する印象的な鳥だ。上昇気流に乗って約7300mの上空を飛行することが記録されている。

高高度飛行に適応した細長い翼と軽量の体により、薄い空気中でも精密に飛行を制御することが可能だ。

死肉を食べる猛禽のなかでも特異な存在で、主に動物の骨髄を餌とし、大きな骨は、上空から岩の上に落として割って食べることが多い。

7. アネハヅル(高度2万4000フィート[約7300m])

アネハヅル(Shutterstock.com)
アネハヅル(Shutterstock.com)

優美な見た目とは裏腹に、アネハヅルは世界で最も過酷な渡りを行なう鳥類に属する。毎年、ヒマラヤ山脈を越えてインドの越冬地へ危険な旅をするのだ。約7300mの高度を飛行し、暴風、低温、低酸素の環境を耐え抜く。

このツルは、過酷な条件を生き延びる能力と、強い家族の絆で知られている。しばしば経験豊富な成鳥が若鳥を導きながら、群れをなして渡りを行う。

forbes.com 原文

翻訳=高橋朋子/ガリレオ

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事