キャリア・教育

2025.07.01 13:30

大阿闍梨が10代に伝えたい心構え「自己に打ち勝つ」「ねたみは贈り物」

塩沼亮潤|大阿闍梨、福聚山慈眼寺住職

塩沼大阿闍梨は幼いころに両親が離婚。経済的に困窮する環境で、祖母、母と肩を寄せ合うようにして幼少期を過ごした。その母があるときこう言った。

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「『女手ひとつだから、あんたに残せるお金は何もない。でも、私はどんなにつらくても明るく前向きに笑って頑張っている。その後ろ姿を見せることが唯一の財産』。実際、母は決して人を恨まない人でした。私が何か嫌なことがあっても根にもたずに済むのは、母の背中を見てきた影響が大きいと思います」

独立して25年。今や活躍の場は国内にとどまらない。コロナ禍の前は隔月で渡米して、自分が修行で得たものについて説いて回った。今年2月にはイタリアの全国紙「Corriere della Sera」金曜版に“生き仏”として取り上げられ、インタビュー記事が掲載された。

「今、世界でさまざまな宗教が対立しているでしょう。宗教は真理の教えで、だいたいどれも同じようなことを言っています。それなのに、なぜ対立してしまうのか。人生の終盤に、その課題を解決するキーマンになれたらいいなというのが私の目標です。今はその準備段階かな」

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準備段階というが、準備にも全力を尽くすのが大阿闍梨の生き方だ。

大峯千日回峰行で白丸・黒丸をつけた帳面は、実は999日目で止まっている。1000日目が白紙なのは、人生という修行はまだ終わっていないと考えているからだ。「今も毎朝、『今日が1000日目』という気持ちで起きています。若い人にも、そんな思いで一日一日を真剣に生きてほしいですね」。



しおぬま・りょうじゅん◎1968年、宮城県仙台市生まれ。奈良県大峰山において、1999年に大峯千日回峰行を成満し翌年2000年に9日間、食べず、飲まず、寝ず、横にならずの四無行を満行。2003年、仙台市秋保にて慈眼寺を建立、住職を務める。著書に『人生生涯小僧のこころ』(致知出版社)、『大峯千日回峰行 修験道の荒業』(春秋社)など。

インタビュー=村上 敬 写真=安島晋作

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