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2025.06.29 11:15

頭皮のかゆみをメカブ抽出物などで抑える 日華化学のスカルケア研究

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頭皮のかゆみで悩む人は多いが、日華化学の毛髪科学研究所は、かゆみを抑える3つの成分を特定した。これを配合した頭皮用エッセンスを使うと、かゆみが低減するばかりか、頭皮の状態がよくなり髪の毛のハリとコシが改善されるというから、頭のお悩みを抱える人には大きな朗報となる。

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かゆみとは、日華化学によれば「皮膚、粘膜、角膜のみで生じる特有の感覚で、『引っ掻く欲望を伴う不快な感覚』」と説明されているとのこと。頭皮はかゆみによって皮膚の正常性が損なわれ、抜け毛や毛髪のハリコシの低下の原因になるという。また掻きむしることで肌荒れ状態を引き起こし、乾燥やバリア機能の低下などによりさらにかゆみが増す。

この悪循環を生むのが神経伸長因子(NGF)だ。神経細胞を成長させるたんぱく質なのだが、掻くことでその産生が促され、神経線維が皮膚の表面近くまで伸び、かゆみを感じやすくしてしまう。掻けば掻くほどかゆくなる原因はコレだ。1938年創業の界面活性剤メーカー日華化学は、そのNGFの発現を抑制する成分の探索を行ってきた。

その結果、メカブ抽出物、ヒジキ抽出物、納豆抽出物の3つが有効であることを突き止めた。これらを配合した頭皮エッセンスを、被験者に3カ月間にわたり使ってもらうスクリーニング試験を行ったところ、いずれの刺激に対してもNGF発現量が大きく低下した。

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Placeboは比較ための偽薬、Sampleが3つの成分を配合した頭皮エッセンス。
Placeboは比較ための偽薬、Sampleが3つの成分を配合した頭皮エッセンス。

さらにエッセンスを使用した人たちは、重層剥離(角質層が通常より多くはがれ落ちること)の低下、頭皮水分量の上昇、毛髪ハリコシの向上が確認された。

日華化学は現在、この研究成果の特許を出願中だ。もしこれが製品化されたなら、頭皮と髪の悩みを一気に改善できる可能性がある。大いに期待したい。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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