中国の杭州に拠点を置くヒューマノイド(人型ロボット)のメーカー、Unitree Robotics(ユニツリー・ロボティクス。宇樹科技)の評価額は、先日完了したシリーズCラウンドで120億元(約2400億円。1元=20円換算)に上昇したと事情に詳しい関係者が明らかにした。
評価額約2400億円で資金調達を完了
ユニツリーの投資家には、自動車メーカー吉利汽車(ジーリー)やフィンテック大手アント・グループ、紅杉資本中国(旧セコイア・キャピタル・チャイナ)などが名を連ねたと、事情に詳しい関係筋がフォーブスアジアに語った。120億元(約2400億円)という評価額は、この取引に参加した2人の匿名の投資家によって裏付けられている。
ユニツリーの広報担当者は、シリーズCの完了を認めたものの、それ以上の情報を開示していない。
この調達ラウンドを6月19日に最初に報じた中国メディアLate Postは、ユニツリーが非公開の金額を調達したと報じ、投資家にはテンセントやアリババのほか、通信大手チャイナ・モバイルが関連するファンドが含まれていたと伝えた。また、評価額が「100億元(約2000億円)を超えた」としていた。
習近平との会合で注目、民間企業支援の象徴に
2016年に設立されたユニツリーは、中国のロボット産業の最前線に立つ企業で、創業者でCEOとCTO(最高技術責任者)を兼任する王興興(ワン・シンシン)は、2月に習近平主席が起業家を招いて開催した会合で、最前列中央の席を与えられた。
北京の人民大会堂で開かれたこの会合には、アリババ共同創業者ジャック・マー、テンセント会長の馬化騰(ポニー・マー)、DeepSeek創業者の梁文峰(リャン・ウェンフェン)も出席した。習近平はこの会合で、政府が経済面の課題に直面する中でも、民間企業を支援する姿勢をアピールし、最前列に座っていた王と握手を交わしたとされる。



