ユニツリーのロボット製品とその技術、市場シェア
眼鏡をかけた若き起業家の王が率いるユニツリーは、中国が米国とのテクノロジー競争の中で、主導権を握ろうとしている新興分野のヒューマノイドの開発を推進している。同社の公式ウェブサイトには、販売価格が1600ドル(約23万4000円。1ドル=146円換算)からのロボット犬や、1万6000ドル(約233万6000円)からのヒューマノイドが掲載されている。
一方、米国の電気自動車(EV)大手のテスラは、「オプティマス」と呼ばれるヒューマノイドを2~3万ドル(約292万円~約438万円)で発売する計画だ。この二足歩行ロボットは、歩行、ダンスのほか、料理、食卓の片付け、ごみ出しといった家事もこなせると、同社はX(旧ツイッター)に投稿した動画で述べている。
ユニツリーのヒューマノイドも、同様のタスクをこなす様子が公式サイトの動画で確認できる。また同社のロボットは、2025年春節イベントで人間のパフォーマーと並んでダンスを披露し、中国で全国的な注目を浴びた。
さらにユニツリーのヒューマノイドはマラソンに参加したり、人間の格闘家とボクシング対決をしたこともある。広報担当者によれば、同社は四足歩行のロボット犬の市場において、世界の市場の3分の2以上を占めており、ヒューマノイドにおいても世界の市場をリードしているという。しかし、ユニツリーは、具体的な販売台数を明らかにしていない。
創業者の王は大学時代からロボットを開発
創業者の王とロボットとの関わりは、2013年頃までさかのぼれる。その当時、上海大学で機械工学の大学院課程に在籍していた彼は、四足歩行ロボット「XDog」を設計して地元のコンテストで2位を獲得した。
王はその後、中国のドローンメーカーDJIに短期間勤務し、2016年にユニツリーを設立した。そして、2017年のシードラウンドで非公開の金額を調達し、昨年シリーズBラウンドを完了させた。この調達で同社は、中国のフードデリバリー大手の美団(メイトゥアン)や投資会社Source Code Capital、国有系の投資会社の深センキャピタルグループなどから少なくとも10億元(約200億円)を調達したと、当局のデータベースに記載されている。


