あなたは独身で快適だろうか。独身生活は誰にとっても山あり谷ありだが、他の人よりも独り身は辛いと感じる人もいれば、結婚するよりずっと楽だと感じる人もいる。
では、独身でいることの良し悪しの決め手は何だろう。今年6月に専門誌『Journal of Social and Personal Relationships(ジャーナル・オブ・ソーシャル・アンド・パーソナル・リレーションシップス)』に発表された研究がいくつかの答えを示している。研究によると、独身は複雑な経験となり得るもので、自分の考え方や社会環境によって利点もあれば難しさもあるとの見方を示している。
研究者らは、年齢や民族的背景がさまざまな独身の成人11人に、独身でいることについてのインタビューを行い、どのような影響を受けているかについて3つの主要な知見を得た。
研究に基づき、独身でいることでおそらく恩恵を受けていることを示す3つの兆候を以下に挙げる。
1. 「婚期」がないことを知っている
独身についての感じ方に影響しがちな要素の1つに、独身の「適齢」についての考えがある。社会の期待から多くの人が独身には「適齢期」があると信じている。その時期とは、野心的なキャリアの目標を追いかけ、成長しようとしている若い頃であり、年をとってからではない。年齢を重ねると、独身でいることは急に心配の種になる。
「特に私の文化的背景では、学士号や修士号などを取得してすぐにフルタイムの仕事に就き、その途端にスイッチがオンになり、独身を卒業することを積極的に模索しなければならない」とインタビューを受けたディヤ(23)は説明する。
個人の経験や傾向は、独身であることに関するこのような釈然としない思いを助長する可能性がある。最近の研究によると、独身成人の約78%が不安定な愛着スタイル(人間関係の築き方の傾向)を持つ傾向があり、安心感または過度の自立を強く求め、脆弱性や見捨てられたり拒絶されたりすることを恐れるという特徴がある。
このような愛着スタイルは、自尊心、そして価値や愛をめぐる考えを形成する可能性がある。そうした愛着スタイルを持つ多くの人にとって、独身であることは愛されていない、あるいは必要とされていないという心の奥底にある恐れを、たとえそうでなくても裏付けているように見える。こうした状況は、恋人を探しているもののまだ出会えていない独身者にとっては、特に対処が難しいかもしれない。
「50歳になっても独身でいるのなら、間違いなく幸せではないだろう。その時点では子どもも何人かいて、健全な結婚生活を送っているべきだ」とテオ(28)は言う。
研究者らによると、年齢を重ねるにつれて、多くの人が経験する転換点があるという。独身を貫くのか、誰かと「落ち着く」ことに注力するのかを決めるのだ。これは人生のさまざまな段階にまたがるプロセスとなりうる。
「独身でいるのは好きではないけれど、選択の余地がないのなら独身でも構わない」と語るのはエブリン(43)だ。
つまり、人生を共に歩む人がいることの価値を認めてはいるが、パートナー探しの期限を自分に課さない傾向がある人は独身でいることに適しているようだ。
「この研究結果は、独身でいることを投資(例えば友人関係や趣味への投資)を必要とする生き方の真っ当な選択とみなし、恋愛関係は特定の人生目標のために必要な第一歩だという考えを否定することで、独身であることと年齢的な期待は必ずしも結びつくものではないことを浮き彫りにした」と研究者らは説明している。



