政治

2025.06.22 17:45

米、イラン攻撃に参戦 「華々しい軍事的成功」とトランプ、「危険な戦争の始まり」とイラン

米首都ワシントンで2025年6月21日、米軍によるイラン核施設攻撃後に国民向けに演説を行うドナルド・トランプ米大統領と、同席したJ・D・バンス副大統領、マルコ・ルビオ国務長官、ピート・ヘグセス国防長官(Carlos Barria - Pool/Getty Images)

米首都ワシントンで2025年6月21日、米軍によるイラン核施設攻撃後に国民向けに演説を行うドナルド・トランプ米大統領と、同席したJ・D・バンス副大統領、マルコ・ルビオ国務長官、ピート・ヘグセス国防長官(Carlos Barria - Pool/Getty Images)

ドナルド・トランプ米大統領は21日、米軍がイランの核施設3カ所を空爆したと発表し、イランが「和平の締結」に応じなければ、今後の攻撃は「はるかに大きなもの」になると警告した。イスラエルとイランの紛争に、米国が直接参戦した格好だ。

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トランプは自身が創設したSNSのトゥルース・ソーシャルに「フォルドゥ、ナタンズ、イスファハンの3つの核施設への攻撃を、非常に成功裏に完遂した」と投稿。堅固に要塞化されたフォルドゥの核濃縮施設には「爆撃機に搭載可能な爆弾すべてを投下した」と述べた。

攻撃に参加した爆撃機はすでに全機がイラン領空を離れ「帰還の途についた」とし、「今こそ平和の時だ」と主張。さらに、今回の空爆を「米国、イスラエル、そして世界にとって歴史的な瞬間だ」と自賛した。

米東部時間午後10時(日本時間22日午前11時)過ぎからホワイトハウスで行った国民向けの演説では、「攻撃は華々しい軍事的成功を収めた。イランの主要な核濃縮施設は完全かつ徹底的に、跡形もなく消滅した」と表明。中東の狼藉者であるイランは、今こそ和平を結ばなければならない。さもなければ、今後の攻撃ははるかに大きなものとなり、しかもずっと容易になるだろう」と述べた。

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また、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相とは「おそらくこれまでに例がないほどの1つのチームとして取り組んだ」とし、イスラエル軍の「すばらしい仕事ぶり」に感謝を示した。

イラン「米国は危険な戦争を開始した」

イラン外務省は、米軍の攻撃を受けて声明を発表。米国は「外交を裏切り」「イラン・イスラム共和国に対して危険な戦争を開始した」と非難した。

イラン国営メディアのテレグラムへの投稿によれば、イラン原子力機関は米軍によるイラン核施設への攻撃について、国際法、特に国連で採択された核兵器不拡散条約(NPT)に違反していると非難。国際社会に対し、イランへの支援と攻撃への非難を呼びかけた。

今回の攻撃は、イランと欧州各国の外相による協議が不調に終わった翌日、イラン外相が米国の直接介入は「誰にとっても非常に危険」だと警告した数時間後に行われた。

AP通信によると、イランの国営通信はフォルドゥの核施設に攻撃があったことを認め、防空網が作動したと明らかにした。

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翻訳・編集=荻原藤緒

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