政治

2025.06.22 17:45

米、イラン攻撃に参戦 「華々しい軍事的成功」とトランプ、「危険な戦争の始まり」とイラン

米首都ワシントンで2025年6月21日、米軍によるイラン核施設攻撃後に国民向けに演説を行うドナルド・トランプ米大統領と、同席したJ・D・バンス副大統領、マルコ・ルビオ国務長官、ピート・ヘグセス国防長官(Carlos Barria - Pool/Getty Images)

フォルドゥ攻撃、最新バンカーバスター「GBU-57」使用か

バンカーバスター(地中貫通爆弾)は、遮蔽物に護られた地下深くの目標を破壊する目的で開発された特殊な爆弾だ。いくつか種類があるが、米軍はフォルドゥの核施設を標的とした攻撃に、GBU-57A/B大型貫通爆弾(MOP)を使用する必要があった可能性が高い。

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フォルドゥの核濃縮施設は地下およそ80~90mにあるとされる。国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長は16日、英BBCに対し、ナタンズの核施設ではイスラエルの攻撃により遠心分離機が「完全に破壊されたとはいえなくとも、深刻な損傷を受けた」とみられる一方、フォルドゥの施設については「被害があったとしても極めて限定的」だと語っていた。

GBU-57A/B MOPは重量3万ポンドの精密誘導爆弾で、米軍に配備されている従来型の空爆爆弾の中で最大かつ最も重量のある兵器だ。イスラエル軍が保有するバンカーバスターで最大のGBU-28(重量5000ポンド)と比較してもかなり大きく、岩山を約60mの深さまで貫通して爆発するほどの威力があると言われている。

なぜ米軍がバンカーバスターを使用する必要があったのか

GBU-57はその巨大さゆえに、ステルス戦略爆撃機B2「スピリット」にしか搭載できない。B2を運用しているのは米空軍のみで、イスラエル軍はGBU-57を搭載可能な大型戦略爆撃機を保有していない。

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イスラエルとイラン、衝突の経緯

イスラエルが今月13日、イランの核関連施設を攻撃して複数の軍高官や科学者を殺害したことで、イスラエルとイランの間で紛争が再び激化した。イスラエルは、イランの核兵器が完成間近だと主張している。

イスラエルは先週、イランの核施設に対する攻撃は米国の支援なしに実行できると述べていた。また、トランプはこの4日間、イラン攻撃への参加を検討し、イラン側に無条件降伏を求めていた。イランはイスラエルとの戦争の長期化も辞さない構えだが、トランプは「長期戦は望んでいない」「私が望むのは一つだけだ。イランは核兵器を持つことはできない」と主張している。

イスラエルによるイラン攻撃は21日も続き、イラン保健省によると約400人が死亡、3000人以上が負傷した。

forbes.com原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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