2025.06.22 11:00

2025年世界の夏旅3大トレンド、「味覚の穴場」に東京・荒川区 Airbnb調べ

オランダ・ロッテルダムにある同国最大の屋内マーケット「マルクトハル」(RossHelen / Shutterstock.com)

オランダ・ロッテルダムにある同国最大の屋内マーケット「マルクトハル」(RossHelen / Shutterstock.com)

デザインやファッションと同様に、夏の旅行トレンドも移り変わる。

1990年代には、夏休みの旅行といえば家族旅行、遊園地、ドライブが中心だった。この時代は家族旅行の復権を受けて、ビーチや国立公園などに長期滞在し、心に残る思い出作りにいそしむ家族が多かった。

2000年代は、冒険旅行や体験型旅行、格安航空会社の台頭、エコツーリズムの人気の高まりなどが夏旅のトレンドとなった。2010年代に入ると、体験型旅行に加えてデジタルノマドや一人旅へとトレンドが移った。

Airbnb(エアビーアンドビー)の「2025年夏の旅行動向レポート」によると、今年の夏の旅行トレンドは、味覚、ファンダム(推し活)、近場への小旅行だ。グルメ、コンサートやスポーツイベント、海辺でのリフレッシュを旅行の目的にする人がかつてないほど増えており、斬新な休暇の過ごし方を取り入れる傾向がみられるという。

グルメ旅行の目的地としては、美食の都パリよりもオランダ・ロッテルダムが選ばれ、イタリアでは高級リゾートとして知られるポジターノよりもアラッシオが人気となるなど、よりローカルで手頃なグルメスポットが注目されている。

推し活旅行は、好きなアーティストやスポーツ選手のパフォーマンスを見るために遠出をいとわない「追っかけファン」の増加に拍車をかけている。一方、米国人は特に計画を立てることなく近場でのんびり休暇を過ごす「ステイケーション」(stay=滞在とvacation=休暇を組み合わせた造語)を楽しんでいる。

米国、ブラジル、スペイン、ギリシャでは国内旅行が主流で、オランダやベルギーでは冒険心を刺激する海外旅行の需要が高い。知る人ぞ知る美食の穴場から「推し」を追いかけるイベント、無計画な「にわか旅」まで、今夏の旅行トレンドを紹介しよう。

2025年の旅行計画トレンド

1. 味覚探訪

おいしいものを味わいたいが、人混みは避けたいし費用も抑えたい。こんな考えから、観光客がひしめく美食の名所とよく似た魅力を持ちながら、より手頃な価格で地元ならではの味覚を楽しめる土地を旅行先に選ぶ人が増えている。

米調査会社Panterraが最近実施した消費者調査では、旅行者の約半数(47%)が最高の飲食体験として「正真正銘の地元料理」を求めていることが明らかになった。新たな「イケてる」グルメスポットを探している食通のために、Airbnbのレポートは今夏注目の旅行先を10カ所紹介している。

Airbnbは、渋谷に代わる「食通にはたまらない」静かなエリアとして、「東京さくらトラム」の愛称で親しまれる都電荒川線の三ノ輪橋駅前にある商店街「ジョイフル三の輪」など沿線を紹介している(Sanne Dost / Shutterstock.com)
Airbnbは、渋谷に代わる「食通にはたまらない」静かなエリアとして、「東京さくらトラム」の愛称で親しまれる都電荒川線の三ノ輪橋駅前にある商店街「ジョイフル三の輪」など沿線を紹介している(Sanne Dost / Shutterstock.com)

・アラッシオ(イタリア)
・ロッテルダム(オランダ)
・チクラナ・デ・ラ・フロンテーラ(スペイン)
・ベロオリゾンテ(ブラジル)
・シロン(インド)
・マーロス・パーク(南アフリカ
・荒川区(日本)
・ラワイ(タイ)
・サンタ・テレシータ(アルゼンチン)
・オネオンタ(米ニューヨーク州)

次ページ > コンサートやライブなど「推し活」は今夏の旅の目的第2位

翻訳・編集=荻原藤緒

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