ルール2:学習を通じて影響力を高める
最高の主体性を持つ人は、ひたすら学び続ける。しかもただ消費するだけでなく、創造するために学ぶ。
イーロン・マスクを例にとろう。そのスタイルを好きかどうかにかかわらず、同氏のアプローチは主体性が高い人の典型だ。彼は深く掘り下げる。例えば、スペースXを立ち上げるためにテキストや技術者からロケット科学を、テスラを拡大するためにバッテリー技術を学んだ。知識を行動に変えることで、同氏は影響力を高めている。
AIは、このルールを飛躍的に強化した。Perplexity、ChatGPT、Claudeなどのツールは、単なるアシスタントではなく促進剤だ。適切なプロンプトがあれば、ビジネスモデルのシミュレーション、コードのデバッグ、詳細な市場分析、特許戦略の改良などを数分で実行できる。
アクションステップ:「より良い問い」ができるよう、自分自身とチームをトレーニングしよう。AIが単に反応するのではなく、スキャンや要約、知識の統合を行い、次のステップに情報を提供するようなワークフローを構築しよう。
ルール3:多様なネットワークで信頼を築き、コラボレーションを尊重する
イノベーションは、孤立した状況ではほとんど生まれない。高い主体性を持つ人は、信頼と多様な視点が持つ力を理解し、さまざまなスキル、背景、視点を持つ人々とのネットワークを積極的に構築する。しかもあらゆる取引において、誠実さと説明責任を実践している。
高い主体性を持つ人は優れた協力者でもあり、いつ主導すべきか、いつ耳を傾けるべきかをよく理解している。多くの場合、集合知が個人の才能を凌ぐことを理解している。
ポッドキャスター兼講演者のラリー・G・ディックス2世は著書『Born or Made: Fear Is a Liar. Defeat Is Overrated(生まれつきか、それとも後天的につくられたものか:恐怖は嘘つきであり、失敗は過大評価されている:未邦訳)』のなかでこう述べている。「ビジネスにおいて、誠実さと人格を維持することは最も重要だ。たとえ時間がかかっても、自分の行動に責任を持ち、前進し続けなければならない。成功は自分の下した決断について、あなたを盲目にすることもあるが、誠実さがあれば当然のことながら、自分の判断が頭から離れることはない」
Pixar(ピクサー)の成功は、共同イノベーションの力を証明している。信頼のおける同僚たちで構成される「ブレイントラスト」が、制作中の映画について率直なフィードバックを提供し、オープンなコミュニケーションと建設的な批判の文化を育んでいる。多様なクリエイターたちが互いに刺激し合い、作品の水準を高め、その結果、画期的なアニメーション映画が次々と生まれている。
アクションステップ:ミスには責任を持ち、失敗を学習の機会と捉えよう。業界イベントや会議に参加し、多様な人々と交流し、意見交換を行おう。


