自分は初級職だと感じるときに思い出すべき4つのポイント
1. 「自分はキャリアチェンジしたのではなく、成長した」と考えよう
「キャリアチェンジ」という表現からは、何かを手放したというニュアンスが感じられる。しかし、キャリアチェンジとは実のところ、それまでの経験を土台にして、新しいスキルを学び、それを新たな環境で役立てることだ。成長したのであって、リセットしたわけではない。
まずは、新しい仕事でも使い続けられる、自分の基礎的なスキルと能力とは何かを見極めよう。例えば、教師が学習体験デザインの仕事に転職したとしても、教育界を離れたことにはならない。学習心理学やコンテンツ構成、ファシリテーションに関する深い知識を携えて転職したのだ。同様に、マーケターがプロダクトマネージャーになった場合は、ゼロから出発したのではなく、幅を広げたということだ。
2. すべてに関して「初級職」なのではない
あなたはもしかしたら、ツールやシステム、アウトプットについては「新人並み」かもしれない。それはそれでいい。けれども、チームの中で働く能力はどうだろう? 複雑なプロジェクトを切り抜ける能力や、より優れた質問をする力だってあるかもしれない。
職場におけるあなたの価値は、その分野の技術的・専門的スキルだけで決まるわけではない。現代風に言えばパワースキル、昔で言う「ソフトスキル」と呼ばれているものにも、大いに依存している。そして嬉しいことに、そうしたスキルは仕事を変えても失われない。
人を指導した経験、危機を切り抜けた経験、プレッシャーがあっても仕事をやり遂げた経験、分野を横断して連携するグループを率いた経験──それらは初級職レベルの能力ではないし、仕事を変えても失われない能力だ。
3. 自分の強みを把握し、それを言語化しよう
部門を超えて連携した経験はいま、かつてないほど貴重なものとなっている。業界や領域が交差するときに優位に立てるのは、複数の「言語」を話せる人間だ。
自分にとって新しいと思える職業や業界に転職したのなら、自分には、新しい同僚にはない何かが備わっているということだ。それは、異なる視点や、人とは違う独特のバックグラウンド、他分野で磨きをかけてきた直感といったものかもしれない。
自分の強みを可視化しよう。自分の過去と未来に共通することを、言語化する方法を身に着けよう。それは強みであって、弱みではない。
都市技術分野に転職した元建築家なら、他の人が見落としてしまうような構造的盲点を発見できる。ユーザー体験の分野で働く元精神分析医なら、満たされていない要求を見いだす術を知っている。
あなたが転職したのは、自分がどのような価値をもたらせるかをすでに理解していたからだ。ならば、今こそそれを言語化しよう。


