サンの次なる一手は何なのだろうか。常に時流に乗ろうとする彼は、「最近はAIエージェントが気になっています」と言い、今はイーロン・マスクをいちばんの手本に挙げる。高速な取引処理能力を生かし、トロンを知能化された機械が支える、世界の基盤となる決済インフラにしたいと語る。
「世界規模で展開されるAIエージェントの雇用を想像してください。そこにはもちろん、24時間体制で稼働する信頼性の高い世界規模の決済ネットワークが基盤として必要になります」
奇想天外な話に聞こえるだろうか。サンは、そう思われてもまったく構わない。注目が大好物で、過小評価には慣れっこであり、おとがめなしとおぼしき処遇を受けていることも、気に留めていないように見えるのが彼だ。
「私は未来をつくる人間になりたい。ですが、私たちはその前に、未来の世界の姿を想像しなければなりません」
Justin Sun◎1990年、中国・青海省西寧生まれ。北京大学で歴史学の学士号を取得後、ペンシルベニア大 学で東アジア研究の修士号を取得。2013年、リップル・ラボの中国代表に就任。17年、自身の暗号資産プロジェクト「トロン」を設立。同ブロックチェーンを基盤とし、取引所ポロニエックス、 HTX、ピアツーピアのファイル共有サービス「ビットトレント」を展開する広大な暗号資産帝国を築き上げた。


