「スマートグラスはテキストに音声に、画像などAIが扱うさまざまな情報のモーダリティを扱いやすいデバイスとして豊かな可能性を持っていると思います。人々のコミュニケーションを支援したり、視覚や聴覚の補助に役立てることもできると思います。現在は価格が手頃なデバイスであるスマートフォンを使って、多くの人々がAIを活用しています。これからもし、スマートグラスが私たちの生活に普及することになれば、もっと多くの便利な使い道が見えてくるかもしれません。これまでにもコンシューマーの期待やニーズに合わせて、洗練されたデバイスをつくってきた日本の企業、あるいはエンジニアが提案するスマートグラスにも興味があります」
社会課題を解決するためにAIを使う機会が増えれば、必然的に人間との接点において摩擦も起きる。チョウ氏は、最先端の技術が社会に及ぼす負の影響にも目を配りながら、Google Researchでは人間中心の視点で時流に即したAI倫理を構築することにも力を入れていると語る。
「AIに関わるプロダクトがローンチされるスピードも速くなっています。このような環境の中で最もよい形は、これまでの安全性、信頼を引き継ぐことであると私は考えます。AIの場合、これを役立てるためにも反対側からAIを活用して、安全性を監視するためのフィルタリング等の仕組みをつくることが有効です。Google Researchでは、ユーザーからのフィードバックを参照する際にもAIを活用しています」
社会のさまざまな課題を解決することを目的とする研究開発は、取り組む人々に大きな負荷もかけるものだ。Google Researchのチームはこれまでに訪れた数々の困難をどのように乗り越えてきたのだろうか。チョウ氏は「多様な考え方を受け入れること」が大切にする自身のマインドセットのひとつであると説いた。
「私はいつもオープンマインドであることを意識しています。どのような逆境に逆風に立たされた場合でも、それを学びの機会として捉えることができれば、人はよりいっそう強くなれます。Google Researchには多様な人材がいます。私たちはみな、世界が直面する最も難しい課題に対してオープンに構え、正面から挑んでいます。解決には100年以上かかるかもしれない課題であっても、今それに取り組むことには大きな意味があります。その答えにできる限り早くたどり着くため、礎になることが私たちの役割なのです」
連載:デジタル・トレンド・ハンズオン
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