米プロバスケットボール(NBA)の名門ロサンゼルス・レイカーズが、米大リーグ(MLB)のロサンゼルス・ドジャースを所有するマーク・ウォルターに売却される見込みだ。6月18日、複数のメディアが報じた。売却額が推定100億ドル(約1兆4500億円。1ドル=145円換算)とされるこの取引は、成立すれば米国のスポーツ史上最大の買収となる。
バス家は少数株主へ、ジーニー・バスは留任
ニュースサイトESPNによると、1979年からレイカーズを所有するバス家は、これまでクラブの過半数の株式を保有していたが、今後は15%の少数株主となる。2017年からレイカーズの経営トップ(ガバナー兼支配株主)を務めてきた故ジェリー・バスの娘ジーニー・バスは、引き続きその役職に留まるという。
スポーツ系メディアのThe Athleticは、この取引に詳しい関係者の話として、この売却によりレイカーズの評価額が120億ドル(約1.7兆円)に達する可能性があると報じている。
マジック・ジョンソン「勝利のためリソースを投入するだろう」
レイカーズのレジェンドで、ドジャースの共同オーナーでもあるマジック・ジョンソンは、「ファンはこの買収を大喜びすべきだ」と述べてウォルターを称賛し、「彼は勝つために必要なリソースを投入してくれる」と語った。
ジェリー・バスがオーナーとなり始まった黄金時代
スポーツ界で最も有名なチームのひとつであるレイカーズは、1979年に不動産業界の富豪ジェリー・バスによって、6750万ドル(約97億8750万円)で買収された。この取引には、ロサンゼルス・キングスやロサンゼルス・フォーラムも含まれていた。レイカーズは、バスがオーナーとなって以降に11回のNBA優勝を達成し、通算の優勝回数を17回に伸ばしていた。2013年にジェリー・バスが亡くなった後、チームは彼の子どもたちに引き継がれ、娘のジーニーがレイカーズのオーナーを務めてきた。
新オーナー、マーク・ウォルター
現在65歳のウォルターは、推定61億ドル(約8845億円)の資産を保有しており、その多くを1990年代後半に共同創業した投資会社グッゲンハイム・パートナーズを通じて築いている。グッゲンハイムは2012年に21億5000万ドル(約3117億5000万円)でドジャースを買収したが、その後ドジャースはワールドシリーズで2度の優勝を果たしている。なおウォルターは、2021年にレイカーズの27%を保有する少数株主でもあった。



