リーダーシップ

2025.06.22 09:00

なぜ「見た目がいいリーダー」は評価が高いのか? データが示す外見の真実

Shutterstock.com

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人生には受け入れ難い真実がいくつもあり、それらは見た目がどう受け止められるかではなく、深い部分に根ざしていることが多い。そうした真実の1つは、外見はそれでも重要ということだ。経済的・社会的・政治的な優位性のいずれを語るにせよ、「美人の特権」あるいは美の偏見として知られるものが暗黙の了解だった風潮が長くあった。現代では外見とリーダーシップを同列に論じることは時代遅れ、あるいは不快なことのように思われるかもしれない。

私たちは、過敏な受け止めや即座の反発、意見の相違が抗議を受けたり取り消されたりすることが多い時代に生きている。だが、ここに真実がある。あなたがどのように自分を見せるかは依然として重要であり、データがそれを裏付けている。レジュメ作成プラットフォームのStandOut CV(スタンドアウトCV)が今年実施した職場調査では、説得力のある傾向が明らかになった。自分を非常に魅力的だと評価した人は、魅力的でないと評価した人よりも平均1万9945ドル(約290万円)多く稼いでいた。さらに、最高経営責任者(CEO)の71%が、自分を10点満点中9点または10点と評価していた。これは他の人の2倍以上だ。

こうした結果は、外見が良い人が特別扱いされているということなのだろうか。それとも、外見は規律や存在感、意図性、卓越性へのコミットメントといった、より深いものを表しているのだろうか。

外見がリーダーシップを表す場合

生まれながらにして優秀な遺伝子を持つ少数の人たちのことは、脇に置いておこう。それ以外のすべての人にとって、外見、特にリーダーシップを取る人の外見は虚栄心より価値観を示している。規律や細部へのこだわり、欲求を我慢する意思、そして高い個人的基準といった特質を、その人の物理的な存在が目に見える形で証明する。こうした資質は絶えず洗練されることで、その人の存在感やオーラを自然に高める。

容姿と仕事での成果が関連していることは、研究で一貫して示されている。例えば、専門誌『Journal of Applied Psychology(ジャーナル・オブ・アプライド・サイコロジー)』に掲載された研究によると、性別や年齢、体重の影響を差し引いた場合でも、身長183センチの人は身長168センチの人よりも30年のキャリアで16万6000ドル(約2410万円)ほど収入が多いことがわかった。身長が2.5センチ高くなるごとに、収入は年789ドル(約11万円)増えていた。

しかし、「美人の特権」は必ずしも理想的な特徴を持って生まれてくることではない。専門誌『Personnel Psychology(パーソネル・サイコロジー)』に掲載された研究では、マネジャーに300の模擬のエレベーターピッチを評価させた。魅力的な人ほど「採用したい」と評価されたが、単に容姿が理由ではなかった。違いを生み出したのは、非言語的な存在感だった。興味深いことに、さほど魅力的ではないと評価された人でも、姿勢を良くすることで魅力的な人と同様の影響力を得ることができ、上に立つ人に求められる資質は、生まれつきの魅力が高いと評価された人だけのものではないことが証明された。

StandOut CVの調査では回答者の83.4%が、外見にお金を注いでいる人はより有能あるいはプロフェッショナルだと思われると答えている。多くの基準が緩和された現代社会では、外見は一貫性とこだわりを表すものとなっている。視覚的なシグナルは相手に訴えかけ、注意がますます乏しくなる世界で自分は信頼できる人間だということを示唆する。

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翻訳=溝口慈子

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