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2025.06.22 10:00

上司にフィードバックする時に役立つ5つのテクニック 「言いにくいこと」も賢く伝えるために

Shutterstock.com

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勤務先の役員や管理職、あるいは大事な得意先など、目上の人には言いにくい内容のフィードバックを伝えたいと思ったとしても、恐ろしいと感じ、怖気付いてしまうこともあるだろう。特に、相手がこちらの意見を求めているわけでない場合や、ビジネスの世界でレイオフのリスクがささやかれている時期であればなおさらだ。

しかし、部下の視点にも意味はある。加えて、部下を重んじる上司の下で働いていて、そうした企業文化があるのなら、上司は部下からのフィードバックを歓迎するはずだ。部下のエンゲージメントや実績も、把握できるからだ。

企業文化がそこまで明確なものではない場合でも、目をつけられることなくフィードバックを伝えるための戦略はいくつかある。

意見が求められていない状況で、上司にフィードバックを伝えるには

言いにくい話を切り出すプロセスは、権威のある人に対して難しい話題を持ち出すことについて、部下自身が恐怖心を持つ状態から始まる。

そう思うのも無理はない。フィードバックをすることで、「こいつはトラブルメーカーだ」と目をつけられるのではないかという恐怖心から、部下、場合によっては上司の側も、職場で言いにくい話を切り出すことをためらうケースは多い。

言い出しにくい話の口火を切り、権威のある人に対して重要なフィードバックを伝える場合、いつ、どんな形で行えばいいかを察知するのは、なかなか難しいものだ。

こうしたやっかいな状況を切り抜ける鍵は、恐怖心をいったん脇に置いて準備を入念に行ない、こちらの意見を伝える前に批判的な思考を十分に行うことだ。その際には、状況を把握する力や心の知能指数(EQ)をフル活用しよう。

この件について筆者は、人事コンサルタント企業のSegal(シーガル)で組織開発を担当するシニアコンサルタント、キャンディス・ポクにメールでコンタクトをとった。すると同氏は、生産的かつ安全も確保できるような形で、「下から上への逆パフォーマンスレビュー」を行える、と述べた。

ポクは、難しい状況を乗り切るために押さえておきたいポイントを5つ挙げてくれた。上司に対するフィードバックが非常に重要だと確信しているものの、自分がターゲットになるような結果は避けたい時に注意すべき点だ。

1. 話す際の配慮を忘れない

まず、ネガティブなフィードバックをポジティブなフィードバックで挟む、いわゆる「フィードバックのサンドイッチ」を避け、シンプルに、前向きな印象を残す話題から切り出そう、とポクはアドバイスする。例えば上司が率先して取り組み、良い成果が生まれた前向きな事例や、上司が組織にもたらした良い影響などに触れてから、本題のフィードバックに入るべきだという。

「大半の人は、勤務先に貢献しようとしてベストを尽くしている」と、ポクは指摘する。「上司の得意分野について強い関心を示したり、うまくいっている点を認めたりしてから、改善点を指摘する。このアプローチは、上司との関係を維持することや、上司がフィードバックをきちんと受け止め、それを反映することに大いに役立つはずだ」

配慮や、職場を改善したいという問題意識を前面に出したコミュニケーションをとること。それによって、上司がメッセージを前向きに受け止める可能性が高まる。一方、批判やネガティブな視点からの発言で始めると、上司が身構えてしまうことにつながる。そして、上司は肝心のフィードバックに聞く耳を持たず、関係が悪化するおそれもある。

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翻訳=長谷睦/ガリレオ

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