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2025.06.23 15:00

​​誰もがAIの管理者になる今、必須スキルとは?「エージェント・ボス」の時代がやってきた

Shutterstock.com

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我々は長いあいだ、マネージャー(管理職)というものを、達成すべき一つの節目と捉えてきた。昇進したら、職務を部下に委ねる方法を誰かに教わり、部下にフィードバックを与え、彼らの業績を管理し、戦略に沿うようにタスクを調整し、いざこざに対処する。それがリーダーシップのスキルだった。そして、選ばれた人だけにそうした職を提供していた。

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しかし、そうした予定表にAIが大きな風穴を開けた。

AIエージェントを使い始めた瞬間から従業員は、仕事を実行するだけでなくマネジメントも行うようになる。タスクを割り当て、期待されることを定義し、成果をレビューし、軌道を修正し、信用できるものと無視すべきものを判定するのだ。

マイクロソフトは、2025年版の「Work Trend Index(働き方トレンド・インデックス)」のなかで、AI時代に即した新たなモデルを紹介した。それは「エージェント・ボス」、すなわち、AIを使うだけでなく、AIを指揮する従業員だ。このモデルは、従業員の能力開発に関して我々が知っていたことをすべて覆す。

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リーダーシップはもはや昇進ではない、一般の職務だ

我々は長年にわたり、新しい管理職に対して部下を率いる方法を教えてきた。指示の与え方、チームの意欲を高める方法、もめごとの解決方法、信頼の築き方。それらはどれも高度なスキルと見なされ、学ぶ権利を勝ちとる類いのものだと考えられていた。

だが昨今では、AIエージェントを管理する誰もが、それと同じ役目を遂行している。違うところは? 「チーム」の構成員が人間ではないことだ。そのチームはテクノロジーで構成されている。

とはいえ、根本的な部分は驚くほど似かよっている。

システム設計者のように仕事を委任する

チームリーダーはスキルや能力、権限のバランスをとりながら、適材適所で仕事を割り当て、チームの活動をビジネス上の目標に沿うよう調整する術を学ぶ。現代のエージェント・ボスは、システム相手に同じことをする。

エージェント・ボスが問うべきは、これだ──自動化すべきものは何か、人間の仕事にとどめるべきものは何か、それら両方の仕事を同じ目標に向かって進めるにはどうすればいいか。

仕事を構成要素に分解し、AIに任せられるタスクを特定し、各タスクを適切なツールに振りわけつつ、その結果を最終的な成果としてまとめあげる。エージェント・ボスは、そうしたスキルを学ぶ必要がある。

例:キャンペーンの計画を立てるマーケティング担当者は、あるツールをコピーの作成に、別のツールをオーディエンス・データの分析に、第三のツールをビジュアルのデザインに使う。クリエイティブディレクターが人間のチームを相手にするのと同じように、複数のエージェントをまとめあげている。

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翻訳=梅田智世/ガリレオ

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