最近は炭酸で割る飲み方も
一般に中国では白酒はストレートで飲むことが多い。ボトルから直接グラスに注ぐのではなく、徳利のような注ぎやすい酒器に移してから、小さなグラスに注ぐ。「乾杯(杯を飲み乾すの意でもある)」と言われたからといって、一気飲みをする必要などなく、料理に合わせてゆっくり飲めばいい。
最近、日本もそうだが、中国でも若者の酒離れが進んでいるという。そのため、若者にも飲んでもらおうと、酒をカジュアルに楽しむ飲み方が模索されている。炭酸で割るのも一般的になっているそうで、「バイ(白)ボール」などと呼ばれている。
郭部長は「炭酸割りにするなら、濃香型の白酒は香りが甘いので、よく合います。ジャスミンティーやウーロン茶などで割ってもいい。要は、自分の飲みたいように飲めばいい」とも話す。
白酒は、誰と飲むかも大事だと思う。筆者がよく白酒を飲む相手は、日本のガチ中華の第一人者の1人、「味坊集団」の梁宝璋さんだ。
彼の店を訪ねるといつもそうなのだが、筆者の顔を見ると、歩み寄ってきて目配せして、「今日は白酒、飲む?」と尋ねてくる。
黒龍江省出身の彼は白酒を割って飲むなどとは考えられないタイプだ。「自分の店で供する料理に白酒ほど合うものはない」といつも話している。
実は、彼が飲みたいのだ。「自分ではない」などと筆者も心の中で言い訳しながら、彼が白酒のグラスを差し出すと、つい手にしてしまう。あとはもうままよ、でもそれで酔いつぶれたりしたことはないことだけは言っておきたい。


