年齢を重ねても健康な脳と鋭敏な思考を保つための鍵を握るのは、好奇心を保てる何かがあるかどうか、ということかもしれない──そう指摘する研究結果が発表された。高齢期に入っても好奇心を持ち続けることで、アルツハイマー病の発症を予防すること(または、その影響を和らげること)に役立つと考えられるという。
論文の著者らは、「好奇心とは広い意味で、新たに接した情報や環境について学びたい、体験したい、探求したいという思う気持ちである」と定義している。また、それは「私たちを趣味や学習、旅行といった新たな体験に駆り立てる影響力である」という。
そのほか論文は好奇心について、次のように付け加えている。
「性格特性としての好奇心は、知識や情報を恒常的に、積極的に求める傾向だとされ、日常生活においてポジティブに受け止められるさまざまな特性と関連づけられてきた。例えば教育現場では、好奇心は生徒たちの質問の回数や成績と関連していることが指摘されてきた」
「例えば医学生について、新たに得た情報について学ぶ際、好奇心が強ければ学ぶことへの意欲が高く、より深い学習課題に取り組もうとすることが報告されている」
好奇心は脳を刺激する
心理学では好奇心を、(興味を引かれる瞬間的、または一過性の体験をした)状態と(個人の人格や、生き方の特徴である)特性の面から測定する。
年齢が高くなってから新たなスキルを習得するために講座を受講するなど、体系化された形での学習を始める動機となるのは主に好奇心だ。そして、脳の認知能力を維持するのに役立つのは、そうした刺激を受ける活動となる。
この研究結果をまとめた論文の筆頭著者、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のアラン・カステル教授(心理学)はこれについて、プレスリリースで次のように述べている。
「年齢を重ねた成人の多くが、再び授業を受けたり、趣味を始めたり、あるいはバードウォッチングを始めたりしている。これらが示すのは、好奇心を保つことができれば、年齢を重ねても明敏な感覚を維持することは可能だということではないだろうか」
年齢によって変わる「関心事」
2つの側面からみた好奇心の働きにについてさらに詳しく調査するため、研究チームは20~84歳の成人1218人からデータを収集した。まず、好奇心のレベルを測定するためのオンラインアンケートを実施。それぞれの好奇心の強さを1~10のスコアで評価した。
質問に含まれていたのは「白砂糖に何が加わると、黒砂糖になる?(答え:糖蜜)」「最も大きな星座の名前は?(答え:ヒドラ、またはウミヘビ座)」など。それらに対する回答を分析した研究チームは、次のような見方を示している。



