キャリア・教育

2025.06.26 08:30

柳井正が10代に投げかける「10の問い」:編集長インタビュー

柳井 正|ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長

3.〈知ることとわかることは違う〉

僕は戦後の1949年生まれで、ちょうど子どものころにテレビが家庭に入ってきた時代です。当時、テレビといえば、「パパは何でも知っている」「ララミー牧場」「ローハイド」など、誰もがアメリカの番組に夢中になっていました。自由、平等、寛容な精神など、当時のアメリカ社会は世界の憧れでした。

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世界一周はサンフランシスコからスタートしました。次にロサンゼルスに行き、グレイハウンドバスに乗って、グランドキャニオンを回って、それからメキシコに入ったのですが、今では信じられないかもしれないけれど、メキシコの方が安全でホッとしたんです。当時のアメリカの都市部はどこも危険。「あの通りには行くな」など、ベトナム反戦運動で町が荒れて、人心が荒廃していたのです。

メキシコを回り、再びフロリダから入国すると、ニューヨークは犯罪都市といわれている。テレビや映画で見るアメリカというのは虚構なんですよ。「つくりものの世界」。ジョンソン大統領が「偉大な社会(Great Society)」というのを打ち出していましたが、そう宣言しなければならないほど荒んでいました。

結局、この旅を通して、世界の現実を実感できました。知るとわかるは大違いだということが身をもってわかりました。

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今、インターネットの仮想空間に浸っていると、体験したような錯覚に陥るでしょう。でも、手触りみたいなものがないのです。自分の目という解像度が高いレンズで現実の世界を見ると、その本質がわかり、世界の構造をクリアに解くことができる。

これはのちにビジネスでも必要となる体験でした。


インタビューの続きは、6月25日発売の『Forbes JAPAN』8月号にてお読みいただけます。


やない・ただし◎ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長。1949年生まれ。1972年、父親の経営する小郡商事に入社後、84年、『ユニクロ』第1号店を広島市に出店、同年に社長就任。91年、社名をファーストリテイリングに変更。2015年、柳井正財団を設立。

文=藤吉雅春(Forbes JAPAN編集長) 写真=平岩 亨

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