働き方

2025.06.27 07:15

フリーランスの6割が「休日の概念なし」 増加する孤独とストレス

Getty Images

3人に1人が休日も業務用デバイスを携帯

さらに深刻なのは、3人に1人のフリーランスが使う予定がない時でも業務用デバイスを持ち歩いているという実態だ。理由の第1位は「急な業務が発生した時に対応するため」(51.4%)で、常に「オンコール状態」で過ごしている様子が見て取れる。

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次いで「念のために持ち歩いているだけ」(39.3%)、「なんとなく習慣になっている」(14.1%)と続き、常に対応できる状態にしておかないければならないという不安を抱えていることもうかがえる。

フリーランスは「いつでも対応可能」であることを価値として提供してしまいがちな一面もあり、結果として自ら休息の機会を奪ってしまう構造的な問題があるといえる。

孤独感とメンタルヘルスの深刻化

「仕事中に孤独を感じることはありますか」という質問に対しては、3人に1人が「よく感じる/たまに感じる」と回答した。特に「体調を崩しても代わりがいないとき」(41.5%)に多い。次いで「相談したいことがあっても相手がいないとき」、「今日は誰とも会話をしていないと気づいたとき」が共に32.8%で続き、一人で仕事をしている現状が影響を及ぼしていることがわかる。

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メンタル不調の相談相手については「誰にも相談しなかった」が43.4%で最多となり、さらに約7割が「専門家への相談がしにくい環境」と回答した。フリーランスは組織に属さないため、職場での相談相手や産業医といったサポート体制が存在しない。結果として、一人で抱え込みがちになる傾向が強いのだろう。

意識改革が求められるフリーランス環境

今回の調査結果では、フリーランスが抱える課題の多くが、不安定な収入構造や孤立しがちな働き方から生まれる心理的負担であることが明らかになった。「休むと収入が減る」「代わりがいない」という現実的な不安が、過度な自己規律や罪悪感を生み出している。

この問題の解決には、個人の努力だけでは限界がある。企業がフリーランスを「対等なプロフェッショナル」として扱い、適切な休息を前提とした発注計画を立てることや、社会全体でセーフティネットを整備することが重要だ。

雇用形態を問わず、すべての働く人が互いに尊厳を持って仕事に取り組める環境を社会が作っていくことが急務だろう。

【調査概要】
調査期間:2025年6月2日〜6月5日
調査対象:全国20歳〜60歳のフリーランス
有効回答数:男女500名
調査方法:インターネット調査

プレスリリース

文=池田美樹

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