SNS発の新世代コメディアン「アダムW」が年間24億円をブランドCMで稼げる理由

アダム・ワヒード(Michael Loccisano/Getty Images)

アダム・ワヒード(Michael Loccisano/Getty Images)

デジタル時代のコメディアンのアダム・ワヒードは、スマートフォン一つで、5500万人のファンベースを築き、数百万ドル規模のブランド帝国を構築した。彼は今、新世代のコメディーの波に乗ってエンタメ業界のルールを書き換えようとしている。

5月の晴れた日、ワヒードはロサンゼルスでサンドイッチのチェーン店「ジミー・ジョンズ」のCM動画撮影を行っていた。彼は、共演者で7500万人のフォロワーを持つハンナ・ストッキングとともに、45秒間のショート映像を撮るために、7時間をかけて撮影に臨もうとしていた。あるシーンではキツツキに扮したワヒードが、クチバシで2人のイニシャルを木に刻んだ。一方、ストッキングはブルドッグのような巨大なアゴをつけて、ゴルフボールをティーアップした。

オンラインで「アダムW」の呼び名で知られる33歳のワヒードの動画は、ばかばかしくて万国共通で笑える内容で知られている。彼とストッキングが送り出した動画の一つは先日、1億回の再生回数を記録した。しかし、これは驚くほどのことではない。

SNSで最も人気のコメディアンの1人であるワヒードは、TikTokやインスタグラム、YouTubeを通じて5500万人のファンにリーチし、月間10億回以上の再生回数を誇っている。「最初に考えるのは再生回数を稼ぐこと。どうやってマネタイズするかは、後から考える」と彼は語る。

かつてのコメディアン志望者たちは、過酷なスタンドアップの巡業をこなしたり、「セカンド・シティ」のような即興コメディ劇団の枠を争ったりしていたが、ワヒードはスマホを使ってブレイクした新世代のクリエイターの一人だ。SNS界のセレブの中でも、今ではコメディアンは存在感を放っている。フォーブスが6月16日に発表した「2025年トップクリエイター・リスト」には、カビー・ラメやブレント&アレクサ・リベラ、ジェイク・シェイン、ヘイリー・カリルといった十数人のデジタル時代のコメディアンが並んだ。彼らの総フォロワー数は7億人以上で、過去1年間の推定収益は1億7500万ドル(約250億円)に達している。

ワヒードのYouTubeチャンネルの登録者数は、2000万人に達している。これに対し、コメディの定番『サタデー・ナイト・ライブ』の登録者数は1500万人だ。

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編集=上田裕資

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