Camp Hustleには、そうした日本の課題をどう打破できるかのヒントを得たくてJETROにご協力を頂き参加しました。シリコンバレーでは、VCファンドのGP、起業家、エンジェル投資家などが互いに学び合い、コネクションを紹介するなど助け合い、信頼関係をベースにした全方位的なエコシステムが自然と機能しています。(エンジェル投資プラットフォームの)Hustle FundやAngel Squadのような草の根コミュニティが、初心者も巻き込みながら次世代の投資家を育てている姿は非常に刺激的でした。
日本では、エンジェル投資家はごく一部の特別な人々というイメージが強いですが、Camp Hustleを通じて、より多くのプロフェッショナルが気軽に関われる仕組みづくりが可能だと感じました。日本のスタートアップ・エコシステムを多様で開かれたものにするには、こうした事例をうまく取り入れ、ローカライズしていくことが鍵になると思います」(白戸)
多様化するマイクロVCと支援エコシステム
マイクロVCの多くは、自らの強みを明確に打ち出し、特化型ファンドとして差別化を図っている。ロボティクス特化、マイノリティ起業家支援、特定地域・市場へのフォーカスなど、そのスタイルは実に多様である。また、テック業界でさまざまなスキルを持つエクゼクティブが個人でLP出資し、ポートフォリオ企業をサポートできる体制を提供するファンドなどもある。このようなファンドの台頭によって、多様なタイプの起業家にアーリーステージのリスクマネーが届くようになり、エコシステムの裾野は着実に広がっている。
また、マイクロVC予備軍または立ち上げ直後のファンドのジェネラル・パートナーを教育・支援するためのアクセラレータープログラムも登場している。VC LabやCoolWater Capitalはその代表格であり、マイクロVCの世界における“Y Combinator”的存在を標榜している。ファンド設立を目指す人々に対して、教育やネットワークを提供する仕組みが整いつつある。いま、VC業界そのものが“スタートアップ化”していると言っても過言ではない。
後編では、Hustle Fundのジェネラル・パートナーであるShiyan Koh氏へのインタビューを通じて、彼らが描く次世代のベンチャー投資モデルと、マイクロVCの未来についてさらに掘り下げていく。


