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2025.07.01 15:15

「マイクロVCの勃興」シリコンバレーで広がるベンチャー投資の民主化【前編】

シリコンバレーで開催されたCamp Hustleの様子 Courtesy of the Author

マイクロVCのコミュニティ形成

マイクロVCの拡大にともない、投資家同士が互いに学び合い、支え合うエコシステムも形成されつつある。マイクロVCの代表格でもあるHustle Fundは、マイクロVC投資家の横のつながりを作るコミュニティを構築している。スタンフォード大学の同級生3人がそれぞれのキャリアを経て、2017年に設立したこのファンドは、毎年「Camp Hustle」というキャンプ型カンファレンスを主催している。

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このイベントには、経験豊富なマイクロVC投資家、これからファンドを立ち上げようとするマイクロVC予備軍、エンジェル投資家たちが集まり、ピッチクリニックや分野別セッション、ネットワーキングなどを通じて学び合っている。筆者も今年参加したが、非常に熱量の高いコミュニティだった。

今年は日本からJETROやTechstars Japanも参加し、日本のスタートアップへの投資をテーマにしたセッションも行われた。日本発のスタートアップをグローバルに成長させるためには、マーケットエントリーの観点からも海外投資家から資金を調達が重要であるとの狙いがある。参加者の一人、Techstars日本代表の白戸勇輝氏は、NY州弁護士として世界5カ国でベンチャー投資に関わった後、3社のスタートアップを起業した経験を持つ人物である。今回の参加理由と所感について、以下のように語った。

Camp HustleでTechStar日本代表の白戸氏が主催したセッションの様子 Courtesy of the Author
Camp HustleでTechstars日本代表の白戸氏が主催したセッションの様子 Courtesy of the Author

「これまでの起業や支援経験から、ネットワークや次の資金調達、人材紹介など、エンジェル投資家がスタートアップにもたらす価値は非常に大きいと実感しています。

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しかし日本に帰国して驚いたのは、シリコンバレーと比べて、エンジェル投資家の数も質も圧倒的に少ないという現実でした。その背景には、上場やM&Aによる創業者のエグジット機会の少なさ、ストックオプション文化の未成熟、リスク回避志向の国民性といった、複数の構造的課題があると感じています。

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文 = 吉川絵美

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