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2025.06.23 11:00

「動かす」データマネジメント──NECと共に進める新しい実践のカタチ

データがあっても、意思決定につながらない─。NECはその課題に直面し、模索と試行錯誤を重ねてきた。そこで蓄積した実践知をもとに、現在は企業ごとに最適化した“伴走支援”で、データマネジメントコンサルティングを展開している。

現場に根付く新しい実践のカタチとは。NEC コンサルティングサービス事業部門 データマネジメントグループ ディレクターの下條裕之(以下、下條)に話を聞いた。


DXによりシステムは整備されつつあるが、それが意思決定や現場の行動には結びついていない。こうしたジレンマを感じているビジネスパーソンは多いはずだ。ではなぜ組織は“動かない状態”に陥るのか。その背景には構造的なつまずきがある。

データマネジメントを阻害する「4つの壁」

 そもそもデータマネジメントとは何か。直訳すると「データ管理」という意味だが、下條は「それだけにとどまらない広範な活動であり、概念でもある」と話す。

「NECが定義するデータマネジメントとは、企業がデータに基づいて意思決定を行うデータドリブン経営を実現するための、あらゆる取り組みを指します。その実現には、データ活用文化の醸成、人材育成、制度設計、さらにはデータ基盤の構築に至るまで、包括的な視点でのアプローチが求められます」

だが、こうした全体像を描いても実行段階でつまずく企業は少なくない。NECは自社でデータマネジメントを実践してきた経験から、その原因を「4つの壁」に集約して説明している。

1つ目は「意識の壁」。改革を進めようとすると、「本当にやる必要があるのか」と最初から拒絶する声が上がる。いわゆる“データアレルギー”と呼ばれる状態だ。2つ目が「スキルの壁」。意識が変わっても、活用に必要なスキルが伴わなければ行動にはつながらない。 

そして3つ目に「継続の壁」、4つ目に「活用の壁」と続く。データマネジメント組織を立ち上げても、他部署との兼務が多く、現業の忙しさにより継続や活用が停滞するケースは多い。

「経営側や現場など、一部の組織だけが改革に挑もうとしても、障壁を乗り越えることは難しいです。データマネジメントを実現するためには、まず、マネジメントの実行が可能な仕組みそのものを整えていく必要があります」

5つの柱で実現するNECのデータマネジメント支援

 データマネジメントにおいて、NECは「5本の柱」の構築が重要だと提唱している。

その柱とは、「組織/統制」「文化」「人材育成」「分析/AI」「基盤」。この5つの柱はそれぞれが相互に作用し、どれか一つが欠けても成果につながらないと下條は指摘する。

「例えデータ基盤が整っていても、データ活用を推進する文化が根付いていなければ、そのデータが使われることはありません。また人材育成だけを進めても、組織に統制がなければ、データの扱い方は部門ごとにばらつき、共有や連携が難しくなります。5つの柱は、それぞれが単独で機能するものではなく、“何を優先すべきか”を見極めながら、全体として設計する視点が重要です」

 NECのコンサルティングは、「5つの柱(組織/統制・文化・人材育成・分析/AI・基盤)」を軸に、現場の行動変容と経営層の意思決定を一体的に変えていくアプローチに強みを持つ。このアプローチは、NECが自社を“0番目のお客様=クライアントゼロ”と位置づけ、社内のデータマネジメント課題に真正面から向き合ってきた実践経験に基づいている。

「自社でダッシュボードを用いてデータ活用を進めようとしたところ、そもそもデータを見る文化がないという経営判断への活用以前の課題がありました。そのため、経営層が判断するポイントをしっかりと説明し、データの背後にある判断材料や行動の兆しを可視化してきたことで、経営層の意思決定に対する姿勢そのものが変化していきました」

データで組織を動かすには何が必要か。その問いへの答えを、NECは自らの歩みのなかで見出してきた。

小さな成功体験から始める変革のアプローチ

 データマネジメントで重要な5つの柱は、1つでも欠けてしまえば機能しない。だが下條は、「5つの柱を同時進行させるのは現実的ではない」と話す。

 「特に縦割り組織の大企業では、同時進行は難しい。最初から完璧を目指す必要はありません。まずは踏み出すための小さな一歩でいい。手応えを感じられる体験が、継続や自走につながっていくと私たちは考えています」

 NECではこの考え方を「Small Start」「Quick Win」と呼び、小さな成功体験を積み重ねていくことで、データマネジメントの加速を図る手法として重視している。

この手法が成果を上げた例として、ある大手企業の支援事例がある。

その企業ではDX推進によりデータ基盤の整備は進んでいたが、組織の縦割り構造が強く、部門間のデータ共有が進まないという課題を抱えていた。現場との対話を重ねるなかで、下條はあえて部署間の壁に正面からぶつからず、まずはデータ分析をNECが代行するカタチでの支援を提案した。 

「他部署との共有が必要とわかっていても、関係性や立場のしがらみで動けない現場は少なくありません。そうしたとき、我々が中立的な立場でデータ活用を担うことで、現場が動きやすい環境が整います」

NECのコンサルタントは現場に入り込み、「今、何が課題なのか」「どうすれば前に進めるか」を共に考え、泥臭い取り組みを一緒に進めることでデータマネジメントを浸透させていった。その取り組みは徐々に社内に波及し、社内に賛同の輪が広がっていった。

開始から2年、データマネジメントの取り組みは大きく進歩した。まさに「Small Start」「Quick Win」が、組織の深層にある構造や文化の変化を引き出した、実践知による支援の好例と言えるだろう。

文化と現場を変える、泥臭さをいとわない支援とは

NECがDX戦略コンサルティング組織を立ち上げてから5年程が経過した。この間で企業のデータマネジメントに対する意識は急速に高まり、企業からの相談件数は3~4倍に増加しているという。背景には「AI技術の急速な進化と普及がある」と、下條は分析する。

「これまでは、DX推進の文脈で社内のデータ整備や共有の必要性が叫ばれていながらも、実行には至らず、先送りされるケースが多く見受けられました。しかしAIの進化は、企業にとってもはや“待ったなし”の状況を突きつけています。自社でも本格的に取り組まなければ、取り残される。そんな危機感が、ようやく現場と経営層の双方に芽生え始めたと感じています」

特に大企業のように組織が複雑になるほど、全社的なデータマネジメントを動かす難易度は格段に上がる。

下條はNEC に参画する以前、大手通信会社において SE 部門の研究開発やDX 推進の責任者を務めていた。その際、全社横断的なプロジェクトを推進するなかで「現場にいかに意欲があっても、部門を越えた設計やマネジメントの仕組みがなければ変革は進まない」という実体験を得たという。だからこそ下條は、NECの泥臭さをいとわない伴走支援の価値を訴える。

NEC コンサルティングサービス事業部門  データマネジメントグループ ディレクター 下條裕之
NEC コンサルティングサービス事業部門 データマネジメントグループ ディレクター 下條裕之

「規模の大きな企業では、経営層によるトップダウン型のアプローチを取る企業もありますが、その手法が最適とは限りません。むしろ大企業においてはNECがクライアントゼロで実践してきたように、現場主導で意識変革を積み重ね、小さな変革を横展開しながら広げていく取り組みが効果的なケースが多く存在します。それぞれの企業文化や風土に応じた推進のあり方を、対話を重ねながら伴走していくことが我々の強みです。

日本企業の多くは、いまだデータマネジメントの文化が定着しているとは言えません。まずはその土台を整えること。そして将来的には、次世代のAI技術にも対応し得る高度なデータマネジメント体制を構築し、グローバルな競争に挑む企業を支えていきたいと考えています」

下條はNECが実践する伴走支援のカタチを「『動かす』データマネジメント」と表現する。データマネジメントの文化を醸成し、経営層や現場の意識を変化させることは容易ではない。小さな成功事例を着実に積み重ね、それを横展開しながら大きな変革へとつなげていくことが鍵となる。

こうした取り組みが、やがて企業全体の意識変容と文化の定着へとつながっていくことに期待したい。

※資料は「My NEC」のページからご覧いただけます
※資料はリンク先の「My NEC」からご覧いただけます


しもじょう・ひろゆき◎NEC コンサルティングサービス事業部門 データマネジメントグループ ディレクター。大手通信会社でSE部門の研究開発、DX推進の責任者などを歴任したのち、2022年NECに参画。コンサルティング部門に在籍し、多くの企業のデータマネジメント推進およびデータマネジメントオフィス(DMO)の立ち上げなどを支援。

Promoted by NEC corporation | text by Tetsujiro Kawai | photographs by Daichi Saito | edited by Aya Ohtou (CRAING)