お笑い芸人の話が面白いのは、当たり前だと思うかもしれませんが、「なぜ」面白いのか説明できる人は少ないでしょう。その理由は「視点を変える」思考法を身につけているからです。裏を返せば、視点を変えることができれば、誰でも面白い話ができます。加えて、ビジネスでの応用も可能なのです。一流企業のPRコンサルタント、人気番組の放送作家の2足のわらじで活躍中の野呂エイシロウ氏の最新刊『道ばたの石ころどうやって売るか?』(アスコム)から、一部引用、再編集してお届けします。
芸人は「視点を変える」プロである
お笑い漫才コンビ・ナイツの有名なネタに「インターネットのヤホーで調べてきました」というセリフがあります。「ヤホーじゃなくてヤフーだろ!」とツッコミを入れたくなりますよね。英語表記の「Yahoo」をローマ字読みすると、たしかに「ヤホー」とも読めます。
まずは、ヤフーとくると予想しているところをヤホーにするという外しをするわけです。なぜ人は笑うのかということをざっくり説明するなら、「予想と違う」ことを言うからです。
ナイツの場合、その外しはデタラメなことを言うのではなく、みんなが「なるほど」と納得するようなことを言うから笑いが生まれるわけです。
芸人さんはみな、この予想の外し方が絶妙です。見ていて本当に頭がいいなと感心します。
つまり、視点を変えたことを言うプロなのです。
私はお笑いの動画をよく観ます。そもそも、お笑いが好きだということもありますが、何といってもお笑いのネタは「視点を変える」ために、勉強になる要素がたくさん含まれているのです。
ナイツのネタから学べることは、「わざと間違えてみる」という視点のずらし方。
世界的に有名な「Google」という社名も、言い間違いから生まれたということを知っていましたか?