費用が嵩む現地調査計画
炭素貯蔵量を定量化できるように、海泥堆積物がどこにあるかを把握することが重要になると、ウォードは述べている。だが、現地に赴いて海泥堆積物のサンプルを採取する調査活動は、非常に費用が嵩む可能性があるという。高価な船と大規模なコアサンプル採取装置が必要になるのに加えて、採取したサンプルを実験室で大量に分析しなければならないからだ。
海洋大陸棚がどのように炭素を貯留しているかに関する研究チームの今回の最新研究は、現在進行中の5カ年研究プロジェクト「コンベックス・シースケイプ・サーベイ(CSS)」の一環として実施されており、CSSは2027年末に終了する。
海底の泥にとっての最大の脅威については、どうだろうか。
それは、おそらく海底に生息するエビのトロール(底引き網)漁だろうと、ウォードは指摘する。底引き網で海泥堆積物を浚うと何が起きるかや、海泥堆積物中に蓄積・滞留している炭素にどのような影響が及ぶ可能性があるかを正確に理解することが本当に重要になると、ウォードは続けた。
英国周辺にある大半の海泥堆積物と同様に、ケルティック・ディープは1970年代から急速に成長したヨーロッパアカザエビのトロール漁業によって集中的に浚われていると、論文は指摘する。
また、論文によると、有機炭素を豊富に含むフレーデン・グラウンドはトロール漁が盛んで、有機炭素の損失が比較的大きい領域であることが浮き彫りになった。
ヨーロッパアカザエビは生息地としている海泥堆積物の中の巣穴に潜んでおり、トロール漁の操業自体が原因で、隔離された炭素が大量に放出される。
まとめ
保護する価値があると考えられる堆積物が今後、海底の生息環境と海洋生物の保護と切り離せない関係になることを研究チームは望んでいると、ロズビーは話した。


