ヒーターと扇風機の切り替えを行うスイッチロボットが、「暑いなぁ」とつぶやく。それを聞いた人は、助けてあげようとスイッチを押すと、ヒーターが止まり扇風機が動き出して、ロボットは「ありがとう」と礼を言う。ロボットなら自分で温度調節をすればよさそうなものだが、自分は何もせずに人の善意に期待する。このコミュニケーションが、人とロボットの新たな関係性を提示するのだという。
追手門学院大学理工学部情報工学科の高橋英之准教授が、奈良先端科学技術大学院大学などと共同で開発したスイッチロボット「ぽっちゃん」が、日本科学未来館の常設展示「ハロー! ロボット」に展示されることになった。
ぽっちゃんは、こうしてほしいという感情表現や感謝の気持ちを伝えることで、人に家電の操作を促すロボットだ。それが、人が本来持っている「してあげたい」という欲求や承認欲求を刺激する。そうしたコミュニケーションを通して、ロボットを含む他者とのよりよい共存の仕方を考えるきっかけを提供するというのが、ぽっちゃんの狙いだ。
その先には、人とロボットとの有意義な共存という理想がある。高橋准教授は、人工物であるロボットも、一定の条件を満たすと心があるかのように感じられる「不思議な存在」だという。そんなロボットの「心」と、それを感じた人の行動を研究することで、「人の心を特定の方向に誘導」したり「人を依存させる」のではなく、本来、人に備わっている「主体性や善性」を引き出し、個人や社会が元気になるロボットのデザインを考えていきたいと話している。
ぽっちゃんの一般公開は7月2日から。未来館3階の常設展示ゾーンで自由に触れることができる。



