サイエンス

2025.06.20 16:00

「空飛ぶヘビ」最高速度40キロで空を舞い、獲物を襲う 知られざる驚異の生態 

パラダイストビヘビ Shutterstock.com

2. ゴールデントビヘビ

ゴールデントビヘビ Shutterstock.com
ゴールデントビヘビ Shutterstock.com

ゴールデントビヘビ(Chrysopelea ornata)も熟練のグライダーだが、近縁のパラダイストビヘビに比べると、熟達ぶりはわずかに劣る。南アジアに広く見られ、滑空のメカニズムはパラダイストビヘビと同じだ。肋骨を扁平にし、凹形状をつくって空気抵抗を増やす。

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獲物を探したり、捕食者から逃げたりするために樹冠から飛び出す姿がよく目撃される。研究で示されているところによれば、滑空中に軌道を調整する能力があり、モモンガやトビトカゲなどのほかの滑空する動物に匹敵する、敏捷かつ制御された動きができるようだ。

トビヘビ属の滑空に関する初期の実験的研究では、高さ135フィート(約41m)のタワーから飛び立ったゴールデントビヘビが、180度旋回し、また同じタワーに着地するところが観察された。

3. ベニトビヘビ

ベニトビヘビ Shutterstock.com
ベニトビヘビ Shutterstock.com

ベニトビヘビ(Chrysopelea pelias)は、タイ南部から東のジャワ島、ボルネオ島まで、東南アジアで広く見られる、森林に生息する種だ。

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通常は体長3フィート(約90cm)に満たない。近縁種と同じく、空中での見事な敏捷性を誇るが、その滑空行動についてはまだあまり研究されていない。

トビヘビ属のすべての種の例にもれず、このヘビも弱い毒をもち、後方の牙を使って毒を注入する「後牙類」だが、前述したブラックマンバやヨコバイガラガラヘビのような前方の牙を使う「前牙類」とは異なり、この毒は人間とってはそれほど脅威ではない。ブラックマンバやヨコバイガラガラヘビの毒の方が、はるかに強力だ。

4. モルッカトビヘビ

インドネシアのスラウェシ島とモルッカ諸島の固有種であるモルッカトビヘビ(Chrysopelea rhodopleuron)は、トビヘビ属のなかでもあまり研究されていないメンバーだ。とはいえ、解剖学的特徴を見るかぎり、ほかの種と同じように滑空に適応しているようだ。

また、裏づけの乏しい現地報告では、このヘビも熟達した飛行家であることが示唆されている。近縁種と同様、日中に活発に宙を飛びまわって、トカゲなどの小型の脊椎動物を狩っていると思われる。地上では到達しえないスピードで滑空し、獲物を追いかけたり、捕食者から逃げたりすることができるのだろう。

進化という観点から見ると、このヘビはトビヘビ属のなかでも最古級の種だ。遺伝的分析による推定では、2000万年ほど前に近縁種から分岐したことが示唆されている。

5. ハイオビトビヘビ

ハイオビトビヘビ Shutterstock.com
ハイオビトビヘビ Shutterstock.com

ハイオビトビヘビ(Chrysopelea taprobanica)はスリランカとインド南部だけで見られ、その生息地は、より広く分布する近縁のゴールデントビヘビと重なっている。

1943年に初めて正式に記載されたこのヘビは、トビヘビ属のなかではもっとも最近になってから認識された種で、分布以外のことはほとんどわかっていない。これまでのところ、このヘビの滑空能力はまだ研究されていない。

forbes.com 原文

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