北米

2025.06.16 11:00

TikTokの反トランプ派、軍事パレードの「荒らし」に成功したと主張

米国時間6月14日、米国で陸軍創設250周年を祝う大規模な軍事パレードが行なわれた(Tom Brenner For The Washington Post via Getty Images)

米国時間6月14日、米国で陸軍創設250周年を祝う大規模な軍事パレードが行なわれた(Tom Brenner For The Washington Post via Getty Images)

米首都ワシントンでは米国時間6月14日、陸軍創設250周年を祝う大規模な軍事パレードが行われた。この日は、トランプ米大統領の79歳の誕生日でもあった。パレードが行われている最中、ある活動家がメタのSNS「Threads」に動画を投稿し、彼らがTikTokに投稿したこのイベントのチケットの予約方法を紹介した動画が100万回以上再生されたと発表している。

advertisement

この活動家自身はトランプのイベントに参加する意思がなかったし、その動画を見た多くの人も同様だった。しかし、彼らはここ数日、自分がパレードに参加する意思がないにも関わらず、チケットを予約する方法を拡散していたのだった。このパレードのチケットは、事前に無料で予約が可能で、トランプに反感を持つ人々の間で、パレードを妨害する目的でそれを入手する動きが広がったのだった。

「我々は数十万人規模の来場者を想定している」と、大統領警護隊(シークレットサービス)のワシントン支局を統括する特別捜査官のマット・マクールは事前の警備説明会で述べていた。しかし、14日夜は雨と雷雨の予報が出ており、パレードの観客数は控えめに見えた。

それにも関わらず、SNS上では、ユーザーたちが歓喜し、2020年に起きた類似の出来事と同様に、イベントの来場者数に影響を与えたと主張。「私はオーストラリアからだけど、10枚もチケットを取ったよ。行けないけどね」とあるユーザーは書いている。また別のユーザーは、「我々ヨーロッパ人にこのチケットは使えないけど、スコットランドから連帯のメッセージを送るよ!」と投稿した。

advertisement

2020年6月にトランプが最初の(そして失敗に終わった)再選キャンペーンを展開していた時期に、彼はオクラホマ州タルサの大規模な集会を皮切りにツアーを開始した。その際にSNS上では、特に大規模で組織的なフォロワーを持つK-POPのファンたちが、「スタジアムを空にしてトランプを孤立させよう」とチケットの予約を呼びかけた

その後、トランプが空席の目立つスタジアムで演説を行うと、SNSの10代の若者は、観客の少なさが自分たちの功績だと主張した(ただし、コロナ禍の最中でワクチンがまだ存在しなかった当時は、ウイルスの感染拡大の影響の方が大きかった可能性もある)。

そして今回もまたSNSユーザーたちは、トランプの誕生日イベントと軍事パレードが低調だったことは自分たちの手柄だと主張している。

また、この出来事は、SNSや特にTikTokにとって極めて興味深いタイミングで起きたともいえる。TikTokは、その親会社のバイトダンスが中国企業であることを理由に、米国で禁止されるはずだった。しかし、TikTokは現在もまだ米国でサービスを継続中であり、それは、ほかでもないトランプがその法的拘束力のある禁止措置を執行していないからだ。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事