犬のアレルギーを治すには
ラベリー獣医師によれば、犬が突然アレルギーを発症した場合、獣医師はステロイド剤を使うことが多い。「炎症に対処することは、アレルギーを治療する最善の方法のひとつだ。ステロイドを投与して免疫反応を抑制するのは急性症状には効果的だが、長期使用すると副作用が多いため、アレルギーを起こした犬にはステロイドを長期使用しないよう努めている」
幸いなことに、アレルギーを治療するための「素晴らしい選択肢」がある。ラベリー獣医師によると、獣医界はここ数年でアレルギーの治療と予防で大きな進歩を遂げた。
注射によるモノクローナル抗体治療であるサイトポイントは、人気のある選択肢のひとつだ。これは基本的に、炎症が起きている時に私たちの体が生成するタンパク質で、かゆみを引き起こすサイトカインやタンパク質を標的にして中和する治療法だ。アレルギー症状が見られ、ひどくなめたりかきむしったりする犬に対し、かゆみの原因を取り除くことで炎症の悪化を防ぐことができる。サイトポイントの効果は犬によって異なるが、通常は1~3カ月持続する。犬に1日数回、経口薬を与えることを好まない人にとっては良い選択肢だ。
経口錠剤のゼンレリアやアポキルも、かゆみの原因となるサイトカインを阻害する。経口薬から始めることを好む人にとっては、これらが選択肢になるだろう。
一方、抗ヒスタミン剤のベナドリルに関しては、ラベリー獣医師は、症状が軽度の場合には有効だが、耳の感染症や発疹などを発症している犬には効果的ではないと感じているようだ。
犬の季節性アレルギーの予防
ラベリー獣医師は、発疹が出たり皮膚が真っ赤になったりするような環境アレルギーを持つ犬には、頻繁に入浴させることを勧めている。獣医の多くは薬用シャンプーを用意している。これで刺激を引き起こす可能性のある、皮膚に残っているアレルゲンを洗い流すのだ。
犬をどのくらいの頻度で入浴させるかは症状の程度によって異なるが、ラベリー獣医師によると、通常は1~2週間ごとが望ましい。軽度の症状がある犬には、アロエやオートミールのシャンプーを使用したり、家に入る時に足を拭いたりすると効果があるかもしれない。
アレルギーから外耳炎を発症した犬には、獣医師から勧められたクリーナーで頻繁に耳掃除をすることが推奨される。ラベリー獣医師は次のように説明する。「耳の感染症はほとんどの場合、根本的なアレルギーが原因だ。飼い主は犬を連れてきて、『狂ったように頭を振っている』と訴える。耳は非常に熱く、炎症を起こしているように見えるだろう」
皮膚をできるだけ健康に保つことが良いため、ラベリー獣医師は保護犬のジョーイに魚油のサプリメントを与えている。これは、アレルゲンが肌の奥深くまで入り込んでアレルギー反応を引き起こすのを防ぎ、健康な皮膚の保護機能を維持するためだという。
最終的に重要なのは、獣医師と協力し、愛犬に合った治療計画を立てることだ。ラベリー獣医師の飼い犬であるタッカーという名のゴールデンレトリバーは、アレルギーによる炎症や耳の感染症を防ぐため、1年中サイトポイント注射を受ける必要があった。「でも、花や葉などすべてが芽生える時期にだけサイトポイント注射を受ける犬をたくさん知っている。こうした犬たちに注射が必要なのは春と夏の間だけだ。薬がどのくらいの頻度で必要なのか、アレルギーを管理するために何が必要なのかは、本当に犬次第だ」


