2025.06.18 10:30

ポルトガルはゴールデンビザ制度を今後も維持、EU諸国が廃止に向かう中

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欧州で最も人気のある投資移民制度の1つであるポルトガルのゴールデンビザ(査証)制度は、大幅な改善が見込まれている。昨年の承認件数が前年比72%増加したことを受け、ポルトガル政府は現在、同制度をさらに魅力的なものにする措置を検討している。提案されている変更点には、ポルトガル国内で得た所得に対する一律20%の課税のほか、外国所得に対しては10年間の免税期間を設けるなど、税制優遇措置の可能性が含まれている。

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ポルトガル政府がゴールデンビザ制度の改善を計画

ポルトガルのアントニオ・アマロ閣議相は、米ブルームバーグ通信の取材に対し、同国政府がゴールデンビザ制度をより魅力的なものにすることを検討していると明らかにした。ポルトガル統合移住亡命庁(AIMA)によると、同国のゴールデンビザ制度では、最低50万ユーロ(約8360万円)の投資と引き換えに居住権を付与している。申請者の中で一番多いのは、米国人だという。

ポルトガル政府は昨年、前年より4987人多い、過去最多の申請者にゴールデンビザを発給した。同国に申請者が殺到している理由の1つは、欧州連合(EU)諸国のゴールデンビザ制度は人気が高いにもかかわらず、廃止に向かう国が多く、希少性が高くなっているためだ。

アマロ閣議相は、他のEU諸国とは異なり、ポルトガルではゴールデンビザ制度を廃止する予定はないと明言した。同相は、AIMAは現在、審査待ちのゴールデンビザ申請約4万5000件の処理に取り組んでいると説明した。

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ポルトガルはゴールデンビザ制度を今後も維持

EU諸国が軒並みゴールデンビザ制度を廃止する中、ポルトガルは同制度を維持する数少ない国の1つだ。ロシアがウクライナに侵攻すると、英国とアイルランドは安全保障上の懸念を理由に、それぞれ2022年と23年に相次いでゴールデンビザ制度を廃止。オランダは2024年に、スペインも今年4月に同制度を終了した。

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翻訳・編集=安藤清香

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