欧州

2025.06.14 13:00

「突っ走れ、さもなくば死」 ロシアバイク兵のサバイバルマニュアル

オートバイで走行中、ドローン(無人機)に狙われるロシア兵(Xで共有された動画より)

もっとも、全体的に言えば、オートバイ兵は「アンテナの向こう側にいる操縦士よりも、狡猾に、獰猛で、迅速に動け」というのがランボー塾の教えだ。

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結構な助言だが、公開されている動画から判断するに、それに従ってもたいした違いは生まれないかもしれない。バイク兵の生存率が10%から20%に上がるのは戦略上は助けになるかもしれないが、前線の兵士たちにとってはほとんど慰めにならないだろう。

なぜなら、双方で賭けられているものの大きさが違うからだ。ドローン操縦士側は、たとえ負けても、悪態をついて500ドル(約7万2000円)程度のFPVドローンもう1機飛ばすだけだ。それに対してバイカー側は、負けた場合、命を失うことになるのだ。

進化する戦争

わたしたちはいま、戦争がリアルタイムで進化していくさまを目の当たりにしている。ロシア軍は装甲防護を強化した車両、通称「亀戦車」などで歩兵を送り込むことを試みたあと、全地形対応車(ATV)やバギー、四輪バイク、オートバイといったより軽量で機敏な車両を使う戦術にシフトしている。これらの車両のほうが生き延びられる可能性はやや高いようだが、それでも損耗率はあまりに高く、西側の軍隊が採用を検討するような戦術ではない。

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ただ、進化は一方の側だけで起こるわけではない(編集注:ウクライナ軍も最近、初のドローン強襲中隊を編成したと報告されている)。いまのところウクライナ軍はオートバイを、特別な対抗兵器を用意する必要があるほど深刻な脅威とは考えていないようだ。しかし、オートバイによる突撃がもっと成功するようになれば、対バイクドローンのような専用兵器が登場することになるだろう。それは、より広角の視野と(「空飛ぶクレイモア地雷」のように)破片弾頭を備え、遠隔で起爆し、ドローン自体を目撃に直撃させる必要はないものになると予想される。

ロシアはこれまで、100万人にのぼる人的損害を吸収しながら戦争を継続してきたが、ウクライナはますます多くのFPVドローンを調達し、その数は昨年の150万機から今年は450万機と3倍に増えると見込まれている。ウクライナ軍のドローン操縦士はオートバイ兵を攻撃する技量も高めており、彼らの損耗率は今後上がっていきそうだ。

しかも、ロシア軍の兵士はたとえ一度、オートバイ突撃をなんとか生き延びられたとしても、おそらくその後再びオートバイ突撃に投入され、その先陣を切ることになる可能性が高い。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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