ヘルスケア

2025.06.15 09:00

目覚ましのスヌーズボタンを使った二度寝は「無駄」、専門家が解説

Shutterstock.com

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人々は、目覚ましのスヌーズボタンを驚くべき頻度で押しているようだ。科学誌「サイエンティフィックレポート」に掲載された研究では、睡眠の半分以上(55.6%)がスヌーズボタンを押すことによって終了していた。実際、スヌーズボタンを押すと、人は何度もそれを繰り返す傾向がある。研究では、人々は睡眠1回当たり平均2.4回スヌーズボタンを押し、それによって延長された睡眠時間の平均は10.8分であることが明らかになった。

では、この研究に参加した多くの人たちのようにスヌーズボタンを頻繁に使用している場合、これをやめた方が良いのだろうか? 二度寝したら「負け」なのだろうか?

アプリのデータを使用した研究

まず、この研究の結果を見ていこう。研究では、「スリープサイクル」というスマートフォンアプリを使用して、世界各地に住む2万1222人から得たデータを分析した。参加者の43.6%は米国在住で、次いで英国が12.7%、日本が9.9%、オーストラリアが6.5%、ドイツが6.2%だった。

このアプリは目覚まし時計としても機能し、利用者は従来のスヌーズボタン(ボタンを押すと指定した時間だけアラームが停止し、その後再びアラームが鳴る)か、睡眠サイクルの段階に応じて目覚まし時計が再び鳴る「スマートスヌーズ」のいずれかを選択することができる。この研究は、スリープサイクルと米ブリガム&ウィメンズ病院が共同で実施した。

研究では、4時間未満の睡眠を除外した。それは恐らく、4時間未満の睡眠は、パジャマを着て朝が来たら新しい1日を迎えようというしっかりした眠りというより、昼寝に近いからだろう。こうして、2022年7月1日~12月31日までの301万7276回の睡眠の記録が分析されることになった。

平日と寒くて日照時間の少ない冬季にスヌーズボタンの使用頻度が高まる

スヌーズボタンの動作は曜日によって異なっていた。予想どおり、週末より月曜から金曜にかけてスヌーズボタンが使用されることが多かった。その理由を推測できるだろうか? この研究では人々がスヌーズボタンを押す理由については追跡していないが、仕事が関係している可能性が高い。

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翻訳・編集=安藤清香

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