ヘルスケア

2025.06.15 09:00

目覚ましのスヌーズボタンを使った二度寝は「無駄」、専門家が解説

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スヌーズボタンを押して二度寝しても安眠は得られない

1つ確かなことは、目覚ましが鳴った後で単に目を閉じているのと、中断された形の睡眠に短時間の睡眠を追加するのは同じではないということだ。良い睡眠というのは、単に睡眠時間を合計して特定の時間に達するまで眠るという意味ではない。むしろ、以下に挙げる睡眠段階すべてを順番に繰り返すことが良い睡眠の条件だ。これは、睡眠に関するコンサルティングを手がけるスリープ・ファウンデーションのエリック・スニの説明を参考にしている。

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第1段階(ノンレム睡眠N1) これは最初に眠りに落ちる時で、最も浅い睡眠の段階だ。平均して1~7分続く。

第2段階(ノンレム睡眠N2) 体が脱力し、心拍数が下がるとともに呼吸が遅くなり、体温が下がる。この段階は通常10~25分続く。

第3段階(ノンレム睡眠N3) これはデルタ睡眠または徐波(じょは)睡眠としても知られており、回復するための深い睡眠を指す。通常20~40分続く。

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第4段階(レム睡眠) レム(REM)は急速眼球運動(Rapid Eye Movement)の略だ。この状態では、身体が一時的にまひする一方で、脳が活動して夢を見る傾向がある。この段階は通常10~60分続く。

長時間の睡眠中には、これらの段階を何度も繰り返すことになるが、順序は必ず上に示したとおりになる。つまり、枕に頭を乗せた瞬間に突然レム睡眠に入るわけではない。再び眠りに落ちる時も同様だ。

従って、スヌーズボタンを押して二度寝しても、せいぜい第1段階の睡眠しか得られない可能性がある。これでは回復力は得られないだろう。端的に言えば、スヌーズ時間は無駄な時間だ。半分眠っているか、軽く眠っている状態で時間を浪費しているのだ。

結局、最初のアラームが鳴った時点で目を覚まして起きる方が良いだろう。そうでなければ、避けられないことを遅らせているだけになる。理想的には、目覚まし時計さえ必要なく、自然に目覚めて、新しい一日をわくわくしながら迎えられることだろう。しかし、それはまた別の話だ。

スヌーズボタンを多用する人は睡眠習慣を見直してみよう

スヌーズボタンを頻繁に使用している人は、十分な睡眠が取れていない可能性がある。普段から早めに寝るか、実際に目が覚めて起床する時間より遅めの時間にアラームを設定するのが良いだろう。スヌーズボタンは睡眠を助けてくれる便利な機能のように思えるかもしれないが、実際はそうではない。スヌーズボタンを押すと失うものに気づいていないだけなのだ。

forbes.com 原文

翻訳・編集=安藤清香

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