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2025.06.14 12:00

いよいよ本当に「iPadがMacBookの代わり」になる日がくるのか?

マルチタスクにも適した直感的なウインドウシステムを導入するiPadOS 26。基調講演でこの機能が発表された時には、観客席から大きな歓声が沸いた

iPadの入門機もモバイルPCのように使える魅力

筆者は今回のWWDCの取材を通して、アップルが新しいOSのデザインと機能を通じて、各デバイスの独立した強みを維持しながら一貫したシームレスなユーザー体験を積極的に模索する意気込みを肌で感じた。特にiPadOSとmacOSにおいては、その姿勢を強く打ち出している。無論、アップルは商売上では「iPadOS 26とiPadがあれば、もうMacBookはいらない」とは言えないだろう。だが、実際には高性能なモバイルPCの代わりとして、iPadシリーズの中で最も安価な「A16チップ搭載のiPad」の活用を検討するユーザーは増えるだろう。この組み合わせは「ひざ打ち」キータイピングができないので、モバイルワークスタイルが主流の方はMagic Keyboardが使えるiPadを選んだ方が良い……とか、筆者の見解に基づくアドバイスを送ることもできるが、それはまた別の機会に譲ろうと思う。

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ウインドウシステムを強化したiPadOS 26の登場により、「モバイルPC的に使える魅力」が最も高まるデバイスは入門機のA16チップ搭載iPadかもしれない
ウインドウシステムを強化したiPadOS 26の登場により、「モバイルPC的に使える魅力」が最も高まるデバイスは入門機のA16チップ搭載iPadかもしれない

日本国内で実施されているさまざまな調査の結果を見る限り、近年のタブレット市場ではアップルのiPadシリーズが圧倒的な優勢を保っている。新しいiPadOS 26は、iPadのポジションをより盤石なものにするだろう。一方で、Liquid GlassデザインをiPhone、iPadと共有するMacが、日本国内のスマホ市場で6割を超えるシェアを獲得しているとされるiPhoneのユーザーに好まれる傾向もさらに顕在化するかもしれない。

アップルは2023年のWWDCで空間コンピューティングデバイスの「Apple Vision Pro」を発表し、続く2024年のWWDCは独自の生成モデルによるパーソナルインテリジェンスシステム「Apple Intelligence」で沸いた。今年のWWDC 25の発表は穏やかに見えるかもしれないが、アップルによる「OS改革」は、7月に予定するベータ版のリリース、そして秋以降の正式リリースを経て、アップルによるエコシステムの内外に大きなインパクトをもたらすことになりそうだ。

連載:デジタル・トレンド・ハンズオン
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編集=安井克至

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