第1段階:自分を制限することなく心を開く
ダイヤモンド・フレームワークの第1段階は、視野を広げ、慣れ親しんだ役割や業界を超えてキャリアを探求することだ。この段階がこのフレームワークの真髄といえる。この時点では、急いで求人に応募したりする必要はなく、あくまでも可能性を探究することを念頭に置こう。
あらゆる可能性に対して心を開き探求を成功させるには、次の4つのマインドセットが必要だ。
1. 特定の職業や肩書にこだわらない
特定の職業や職種に絞るのではなく、自分の長所や願望を中心に次のチャンスを見つけよう。「私はマーケティングマネジャーだから、別のマーケティングの仕事を探そう」と考えるのではなく、「私はどんなスキルを使うのが好きなのか? 私はどんな問題を解決するのが好きなのか?」と自問してみよう。
2. 特定の業界や役割に限定しない
特定の業界や役割に限定して仕事を探すのではなく、さまざまな分野の人々と会って、興味をそそられる会社を探そう。それは、たとえ自分がどうフィットするか分からなくても構わない。
この段階で必要なのは、他の業界を学ぶ理由探しではなく、ただ探究するという意識を持つことだ。ここでのゴールは、過去に自分に合っていた仕事を探すのではなく、将来の自分に合った仕事を探究することなのだ。
3. 「でも」という言葉でチャンスを閉ざさない
「コンサルティングの仕事を探してみることはできるけど、やったことがない」などと思うのは止めよう。「でも」という言葉は、可能性を閉ざしてしまう。その言葉が出てきてしまう時には、自分が可能だと思っていることの枠を超えることに挑戦しよう。「でも、そんなことはやったことがない」とアイデアを否定するのではなく、「コンサルティングの仕事を考えてみよう。どんな未来になるだろう」と、可能性を探るのだ。このマインドセットが、想像もしなかったようなチャンスへの扉を開く。たとえその可能性が先入観と相容れないものだとしても、ひとつひとつの発見が未来への足がかりになるのだ。
4. これまでと違う勤務形態を排除しない
あなたのキャリアは、従来の雇用形態を超えて進化する可能性がある。コンサルティング、フリーランス、プロジェクトベースの仕事など、新たな興味や強みを発見できるような思いがけない機会にイエスと言おう。キャリアチェンジの多くは、コンサルティングやサイドプロジェクトの可能性を模索することから始まり、それが自然にフルタイムの機会へと発展していく。
この段階は、自分の価値を自分の言葉で再定義するということを忘れないでほしい。どの強みや経験を引き継ぎたいのか? 何を捨て去りたいのか? もはや自分の役に立たない慣れ親しんだパターンに逆戻りすることなく、意図を持って前進するには、自分独自の価値を理解する必要がある。
目標は、あなたのスキルを必要とし、あなたの情熱に合致する分野でありながら、これまで考えてきた範囲外の分野、つまり新しい可能性へと視野を広げることだ。だからこそ、この旅の段階では、すぐに目標を明確にするのではなく、視野を広く持つことが重要なのだ。


