ソーラー・オービターと太陽コロナ
ソーラー・オービターに搭載された撮像装置のうち、EUI(極端紫外線撮像装置)は紫外線で太陽を撮像し、太陽大気の最外層にあたるコロナを構成する温度100万度の荷電ガスの解明に挑む。ESAは4月、ソーラー・オービターが3月9日に撮影した約200枚の画像をもとに、これまでで最も広角かつ高解像度の太陽の画像を公開した。EUIの画像はコロナをはっきり捉えていた。
太陽科学者たちはコロナを解明しなければならない。なぜならコロナは、太陽から放出されて地球にぶつかる荷電粒子(プラズマ)の流れである太陽風の源であり、磁気嵐やオーロラを発生させる宇宙天気の原因だからだ。
今後はさらに傾いた軌道へ
今後数年間にわたりソーラー・オービターは太陽周期の谷である「極小期」に向かう太陽を観測し、磁場構造がどのように再編されるのかを研究する。
新しい傾斜軌道からの初期観測で得られる完全なデータセットの到着は今年10月まで待たなければならないが、その後の4年間で前例のない観測データが収集できるだろうと太陽科学者たちは期待している。
「今回の成果は、ソーラー・オービターにとって『天国への階段』の第一歩にすぎない」とESAのソーラー・オービター・プロジェクト担当科学者であるダニエル・ミュラーは述べている。「数年後には、探査機はさらに黄道面から傾いた軌道に入り、太陽の極域をこれまで以上にしっかり観測できるようになる。それらのデータは、太陽の磁場、太陽風、太陽活動に関する私たちの理解を一変させるだろう」


