欧州

2025.06.13 11:15

トランプ大統領の「乱心」に乗じてさらなる「イメチェン」狙うフランス

仏「バックマーケット」社は5月開催の「SusHi Tech Tokyo 2025」に出展

米国企業は大統領に面従腹背⁉

同じくイベントに名を連ねた「エコバディス」は企業の社会的責任(CSR)への取り組み評価などを手掛けている。「環境」「労働と人権」「倫理」「持続可能な調達」という4つの基準で顧客企業の製品、部品の仕入れ先などを評価し、結果をフィードバック。評価を依頼した企業のサプライチェーンにおけるリスク管理強化などを支援する仕組みだ。2007年にパリで創業。評価対象企業はこれまでに180カ国の15万社超に達する。

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米国ではトランプ大統領の就任以降、脱炭素への動きが後退。同大統領は「ドリル・ベイビー・ドリル(掘って掘って掘りまくれ)」のスローガンを掲げ、化石燃料回帰の姿勢を鮮明にしている。ESG(環境・社会・企業統治)投資などには逆風が吹くが、「エコバディス」の関係者は「米国企業の多くは面従腹背だ」と打ち明ける。「サステナビリティ推進の戦略に大きな変化はない」というわけだ。

トランプ政権は留学生の受け入れ停止などハーバード大学への圧力を強めている。これに対して、ぺクレス氏は訪日前のシンガポール副首相との会談で、「米国を離れてほかの国・地域で研究を続けようという流れができあがっているとの話があった」などと指摘。そのうえで、「欧州や日本は米国の研究者を積極的に受け入れるべき」と強調する。

フランス政府は大学発ディープテック・スタートアップ支援に力を入れる。ディープテックとは社会課題を解決して生活などに大きな影響を与える科学的な発見や革新的な技術を指す。これらは大学での研究をベースにしているケースが多い。

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「フレンチテック」の政策実行を担当する行政機関のミッション・フレンチテックによれば、フランスのディープテック領域での資金調達額は欧州連合(EU)トップで、世界全体でも米国、中国、英国に次ぐ4位だ。

米国の相互関税措置に対してEUは報復関税も辞さない構えをみせる。フランスにかぎらず欧州には「反トランプ」のムードが根強い。米ホワイトハウスの主人の「乱心」に乗じて「イメチェン」をさらに進めたい。そうしたフランスの思惑も垣間見える。

連載 : 足で稼ぐ大学教員が読む経済
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文=松崎泰弘

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