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2025.06.15 12:00

この夏、「スマート・ワーケーション」のすすめ 実現するためのヒント

last19 / Getty Images

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夏が目前に迫り、休暇の計画をする人も多いことだろう。ただ今年は様子が異なり、不景気、空港の混雑、旅行中の混乱、フライトのキャンセルやフライトの遅れ、さらにロストバゲージの請求が前年と比べて18%増加したことで、人々は夏休みの過ごし方を考え直し始めている。

Squaremouthによると、多くの米国人旅行者はこの夏、米国内に滞在したり、カナダやメキシコに向かったりして、家からあまり離れずに休暇を過ごす人が多いという。自宅でゆっくりする「ステイケーション」、移動時間やイベントを減らしてゆったりと過ごす「スロー・サマー・バケーション」で夏休みを楽しみたいという人もいる。。

その結果、2025年の夏は仕事とプライベートの時間を厳密に区切り、生産性と休暇の満足度の両方を最大化する「スマート・ワーケーション」の人気が高まっているのだ。

なぜ今、「スマート・ワーケーション」が求められるのか?

スマート・ワーケーションが注目される背景には、働き方の変化、経済や社会の状況、そして企業の体制という、大きく分けて3つの側面がある。それぞれを詳しく見ていこう。

リモートワークが産んだ「ハッシュケーション」という模索

ほぼ1年前の今日、私はフォーブスで、若い労働者たちが仕事を休んだり勤務先に場所を明かしたりせずにこっそり休暇を過ごす「ハッシュケーション」について書いた。この「ハッシュムーブメント」は米国中のリモートワーカーの間で広がり、彼らはリモートワークと仕事の柔軟性を両立させるための策を見つけようとしていた。

旅行の不便さと経済的不安が生んだ「スロー・サマー・バケーション」

フォーチュンによると、2025年の夏が近づくなか、米国人の旅行計画は15年ぶりの低水準に達している。人々は、「スロー・サマー・バケーション」と呼ばれる休暇の過ごし方に目を向けており、手荷物の遅延や紛失、長蛇の列、フライトの遅延や混乱を避け、アクティビティを縮小し、コストを削減し、より自由な時間を確保して過ごすようになっている。

企業のサポート不足という現実

Monsterの新しい調査によると、ほとんどの従業員は夏を楽しむために必要な柔軟性やサポートを得られていないことが明らかになった。米国人労働者の実に84%が、夏期休暇の指定がないと回答している。また、64%が夏の間、健全なワークライフバランスを維持するのに苦労していると答えている。

また、夏季休暇のスケジューリングに関して、42%の労働者がマネージャーや会社からサポートを受けられていないと回答している一方、55%の人が夏期休暇は生産性を向上させると回答しており、季節的な柔軟性は単なる特典ではなく、業績を向上させるものであることが示されている。

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翻訳=江津拓哉

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