老鋪黄金の株価は6月4日までの1年間で2300%超急騰し、年初来でも315%の上昇となっている。これは、中国経済が概して、良く言っても力強さに欠ける回復にとどまるなかでの成績だ。
JPモルガンは5月28日付の投資リポートで、老鋪黄金の2025年の年間売上高は前年比135%増のおよそ200億ドル(約2兆8900億円)に達すると予想している。純利益も前年の38億ドル(約5480億円)と前年の15億ドルから大幅に増えると見込まれている。それ以上に驚異的なのは、老鋪黄金が報告している粗利益率が41%強に達することだろう。これは中国の宝飾品最大手、周大福のほぼ2倍だ。店舗の平均売上高も中国の金小売業者で最高を記録している。
投資先として魅力を感じさせるストーリー
わたしたちが老鋪黄金に引き寄せられたのは、株価のパフォーマンスだけが理由ではない。ストーリーもまた魅力的だった。これも何度も書いてきたことだが、金は中国文化において縁起の良いものとして大事にされてきた。金製品は出産祝いに贈られ、結婚式で身につけられ、代々受け継がれる。また、ブルームバーグ通信のリー・チョンチン記者は、中国の金ジュエリー売上高は現在、3分の1超を18〜34歳の若年層の購入が占めるようになっていると伝えている。
こうした需要を直接取り込んでいるのが老鋪黄金だ。これまでに直営店を36店展開し、年内に新たに少なくとも8店の出店を計画している。各店舗は中国でも指折りの高級ショッピングモールや商業エリアに戦略的に出店し、時には店舗を囲むほどの行列ができることもある。製品のデザインは中国のソーシャルメディアでよく話題になり、拡散している。
中国では高級ブランドでも国産志向
中国の1人あたり国内総生産(GDP)は今世紀に入ってから13倍超に拡大した。細かい数字を挙げれば、2000年時点で1000ドル足らずだったのが、2023年にはおよそ1万2600ドル(現在の為替レートで約182万円)まで増えた(ちなみに同じ期間にインドの1人あたりGDPの成長は6倍ほどと、中国の半分足らずのペースにとどまっている)。


