企業では長年、外向的なリーダーが称賛されてきた。大きな会議を仕切り、苦もなく人脈を築き、頂点に上り詰めるカリスマ的なタイプのことだ。
しかし、最も効果的なマネージャーのなかには、もともと内向的だが、自分の強みを生かしながら、リーダーシップの困難な側面にうまく対処している人々がいる。もしあなたが内向的な管理職なのであれば、「自分ではない誰か」になりすます必要はない。実際のところ、内向的で優れた管理職はたくさんいるのだ。
パーソナリティ評価サービスを提供するMyers Briggs Company(マイヤーズ・ブリックス・カンパニー)の研究チームは、米国の経営幹部と上級管理職の39%が内向性を評価していると報告している。ハーバード・ビジネスレビューに掲載された別の研究では、900人以上に上るCEOたちのパフォーマンスを分析した結果、内向的な人の方が、外向的な人に比べて、投資家の期待を上回る頻度が高いことが明らかになった。さらに、外向的な人はトップの座に就く可能性が25%高いものの、内向的な人の方が優れたリーダーになることが多いのだという。
その鍵は、自分のエネルギーや意思決定のパターンを生かせるシステムを構築しながら、自分の強みを最大限に発揮する方法を理解することにある。これから紹介する10のマネジメント戦略は、多くの人が制約と捉えているものをリーダーシップの強みに変え、企業で自分らしく活躍する助けになるはずだ。
1. 戦略的な1対1のミーティングを行う
内向的な人にとって大人数の会議は疲れるものだが、1対1の会話はあなたの真価を発揮できる場だ。こうした個別面談をあなたのマネジメント手法の土台にしよう。
効果的な1対1のミーティングを行う方法
・頻度:直属の部下と、毎週または隔週で定期的なミーティングを行う。
・目的:本物の関係を構築し、個人的な課題を理解。個別指導を行う。
・準備:具体的な質問や話題を用意しておく。ただし、柔軟に対応しよう。
・メリット:チームについての洞察が得られ、問題を早期に特定でき、部下が自分の強みを発揮できる。
あなたの傾聴力、そして考え抜かれた質問をする力があれば、1対1のミーティングは、あなたと部下、双方にとって非常に価値あるものとなるだろう。
2. スケジュールに休息の時間を組み込む
内向的なマネージャーにとって、エネルギー管理は非常に重要だ。社会的交流からエネルギーを得る外向的な人とは異なり、内向的な人がエネルギーを充電し、情報を効果的に処理するには、一人の時間が必要だ。
戦略的なエネルギー管理
・カレンダーをブロックする:「戦略的思考セッション」や「計画立案時間」をスケジュールに組み込む。
・短い休憩を取る:会議の合間に15分の休憩を入れ、気分転換する。
・一人の時間を大切にする:昼食を一人でとったり、早めに出社して静かに準備したりしよう。
・孤独に対する見方を変える:一人の時間は、非社交的な時間ではない。頭を整理するのに不可欠な時間と捉えよう。
あなたのエネルギーを、意図的に管理すべき有限のリソースとして扱うことで、効果的なリーダーシップに欠かせない頭脳の明晰さと心の安定を維持できる。



